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生成AIに仕事をさせてみたものの、表面的なコメントしか出てこなかった──そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

「プロンプトが悪いのだろうか?」「もっとよいプロンプトがあれば変わるのだろうか?」と感じた方もいるでしょう。しかし、生成AIで成果が出る人と出ない人の違いは、プロンプトの巧拙ではありません。

「1割」が期待を超え、「2割」が期待を下回る

PwCコンサルティングが2024年春に実施した「生成AIに関する実態調査」(対象:売上高500億円以上の日本企業 課長職以上 912名)では、興味深い結果が出ています。生成AIの活用効果について、「期待を大きく上回る成果を上げた」と答えた企業は全体の9%。一方で、「期待を下回った」「期待とはかけ離れた」と答えた企業は計18%にのぼりました。

では、この差はどこから来るのでしょうか。

成果が期待を大きく超えた企業が挙げた成功要因の1位は「適切なユースケース設定」(38%)で、2位が「データ品質」(27%)でした。
一方で、期待未満に終わった企業が挙げた失敗要因の1位は「データ品質」(30%)です。

「何のために、どんなデータを使って、生成AIに何をさせるか」を自分自身が明確にしているかどうか──それが成果を分ける最大の要因です。

生成AIに関する実態調査2024 春 PwC

アビナッシュが「根本的に変える時だ」と言う理由

アクセス解析に古くから取り組んだなら知らない人のいないアビナッシュ・コーシック(Avinash Kaushik)が、最近興味深い記事「さらば人力マーケティング分析(Bye, Bye Human Powered Marketing Analytics)」を書いていました。
この記事で彼は「スマートな意思決定のために、今後は予算の10%を優秀な人材に、残りの90%をAI活用に投じるべきだ」と主張しています。

a2iに初期から参加した人ならピンとくるはずです。かつてアビナッシュは『90%を分析する人に投じて、10%をツールに投じろ』と主張していました。それが今や正反対になっています。彼自身、これを『根本的に変える時だ』と表現しています。

アビナッシュの世界では、分析の主役が人からAIへと移行しつつあります。さらにAIを戦略的に活用できる人材の価値が、これまで以上に高まるということです。

Bye, Bye Human-Powered Marketing Analytics.

生成AIは「飼い主」を選ぶ

この変化の中で、私たちは何をすべきなのでしょうか。

Xなどで話題のプロンプトを試しても、期待ほどの成果は得られません。プロンプトだけを借りても、文脈・データ・目的が整備されていなければ、生成AIは力を発揮できません。

生成AIは「飼い主」を選びます。飼い主がしっかりしていれば、よい改善案が出てきます。飼い主が曖昧なままであれば、いくら高性能なAIを使っても、表面的なコメントしか返ってきません。

「飼い主として生成AIをどう育てるか」──そこに2026年のデータ分析の核心があるのではと私は考えています。

3月18日、小川卓さんに「育て方」を聞く

3月18日(水)のセミナーでは、HAPPY ANALYTICSの小川 卓さんをお招きして、この「飼い主としての生成AI活用」を具体的に解説していただきます。

小川さんは、生成AIによるGA4分析のチャットをすべて公開しています。試行錯誤の過程も含めて、リアルな実践者の声が聞けるはずです。

2026年のa2iは「生成AIを使ったデータ分析」を大きなテーマに据えています。3月の小川さんに続いて、4月は運営堂の森野誠之さんに「生成AIとサイト改善」というテーマで企画を依頼しています。
生成AIをどう育て、どう使いこなすか。そのためのデータ基盤をどう整備すべきか。
その「育て方」の極意を、小川さんをはじめとする実践者の皆さんと一緒に深掘りしていきたいと思っています。

ぜひ、3月18日にご参加ください。


【セミナー情報】
オンラインセミナー「GA4×生成AIで改善提案の精度を高める ― AIから「使える施策」を引き出す実践アプローチ ―」
2026年3月18日(水)午後2時~3時30分(Zoomウェビナー)

コラム担当スタッフ

大内 範行

アナリティクスアソシエーション
代表
オオウチコム

アナリティクスアソシエーション代表  
個人情報保護士、専門統計調査士
日本アイ・ビー・エム、マイクロソフト、Googleなどを経験。Googleでは2011年から7年間、Googleアナリティクスとダブルクリック広告のマネージャなどを歴任。
2019年からはJellyfish 副社長 VP Analyticsとして参画し、2021年からはアユダンテ株式会社でCSOに就任。
並行して2008年から協議会「アナリティクスアソシエーション (a2i.jp)」代表としてデジタルマーケティングのデータ分析の普及に取り組んでいる。
仕事の傍SEOやアナリティクスの書籍も多数執筆。
主な著書『できる100ワザ SEO&SEM』、『できる100ワザ Google Analytics』、『SEM Web担当者が身につけておくべき新100の法則』など。

主な講演

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