コラムバックナンバー
アナリティクスアソシエーション 大内 範行
発信元:メールマガジン2024年6月12日号より
「Googleアナリティクスは分析のツールではありません。ここを誤解している人が多い。製品名を変えてほしい」
題名にも引用したこの言葉は、アユダンテでGMPチームを率いる山浦直宏が言った言葉です。(私も普段はアユダンテ社員なので敬称は略します)
「Analytics」を日本語訳すれば「分析」ですから、Googleアナリティクスは、グーグルの分析ツールなのですが、それは思い違いだ、というわけです。なかなか面白い問いかけです。
次に来る問いかけは、分析とはなにか? です。
「分析とは比較です」というのが、山浦の答えです。
分析の辞書的な回答は「分けて明らかにする」ということになります。比較する単位に分けて、比較して明らかにする。
私やアナリティクスアソシエーションの講師の方々も、a2iのセミナーでは、「セグメント」という言葉を繰り返し言ってきました。
「見えないユーザーを見るために、セグメントに分けて比較しましょう」
データを比較する単位に分けるのも、そのギャップから改善点を見出すのも、ツールではなく人間の役割です。そして、もっとも肝心な、比較前の問いを立てる作業、仮説を設定するのも人間です。
Googleアナリティクスは、分析そのものはしてくれません。あくまで比較の元データを集計するツールだというのです。
GA4を分析ツールと思っていると、知りたいことを明確に持たずに、GA4のレポート画面から分析をはじめようとしてしまう。それで何かがわかると期待している人が多いために、問題が生じます。
先日6月5日に行われたa2iでの小川卓さんのGA4セミナーでも、「まず、GA4は施策を評価するツールとして使うのがオススメ」というお話がありました。
説明の仕方は違いますが、明確な仮説とそれに基づく施策を持って、GA4を使いましょう。そうでなければ、無駄な時間を使うことになります、ということでしょう。
質の良い仮説を立て、それに答えられるだけの整備されたデータをGA4で設定し集計する。GA4は分析ツールでなく、あくまで集計ツールです。
それが答えですが、「質の良い仮説」は、一朝一夕に得られるものではありません。問いと施策を繰り返し、データ設定を見直し、試行錯誤を積み重ねていく先に答えに近づいて行きます。
整備されたデータについては、よく考えずに設定し、いざ仮説を持ってGA4を見ても、必要なデータが取得されていない、ということも多くあります。この点は、経験を積んだパートナーがいれば、企業の事業や環境に合わせて、ある程度取得するべきデータは整備できるはずです。
もちろん、「いや、生成AIがそこのところも」という言葉が頭の中で聞こえるでしょう。でも、ここしばらくは、あなたの仮説立案を少しだけ支援する、という程度に留まります。
さて、最初の言葉には「製品名を変えてほしい」というところもありました。
「コンバージョン」をある日突然「キーイベント」に変えちゃう会社なので、その可能性だってあるでしょう。
Googleアナリティクスでないとしたら、あなたはどんな名前がいいですか?
アナリティクスアソシエーション代表
個人情報保護士、専門統計調査士
日本アイ・ビー・エム、マイクロソフト、Googleなどを経験。Googleでは2011年から7年間、Googleアナリティクスとダブルクリック広告のマネージャなどを歴任。
2019年からはJellyfish 副社長 VP Analyticsとして参画し、2021年からはアユダンテ株式会社でCSOに就任。
並行して2008年から協議会「アナリティクスアソシエーション (a2i.jp)」代表としてデジタルマーケティングのデータ分析の普及に取り組んでいる。
仕事の傍SEOやアナリティクスの書籍も多数執筆。
主な著書『できる100ワザ SEO&SEM』、『できる100ワザ Google Analytics』、『SEM Web担当者が身につけておくべき新100の法則』など。
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