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GTMに同意モードという機能が加わっています。これについて解説します。
最近、日本のウェブサイトでも、Cookieの利用について、同意を求めるポップアップが少しづつ増えてきました。

これには3つの背景があります。
一つは、欧州ですでにはじまっているGDPRの規制に対応するグローバル企業の対応です。
二つ目は、日本でも総務省が、Cookieの取り扱いについてガイドライン(来年施行予定)を出したことが挙げられます。
三つ目として、ブランドを重んじる企業として、同意を求める姿勢こそが重要だ、と「配慮」をした面があります。

GTMの同意モードは、この同意を確認するポップアップに応じてCookieとタグの制御を実行します。
Cookieの活用に同意した場合、同意しない場合、それぞれ、Cookieを保管するかしないか、さらに計測タグそのものを発行するかしないか、をGTMの設定で制御します。

注意が必要なのは、GTMは同意のポップアップUIそのものは提供しない、ということです。ポップアップのUIは他のツールの導入が必要です。あくまでGTMはそうしたツールと連携し、Cookieやタグの制御をする役割です。

さて、このGTMの同意モードには、Googleらしい面白い機能が実装されています。
Cookieの利用についてポップアップで同意しなかったユーザーは、計測用のCookieが使えませんから、コンバージョンがわかりません。これでは、広告効果が計測できませんね。
そこでGoogleは、同意しなかったユーザーについて、機械学習のモデルを使って、コンバージョン数を予測していきます。

前回のコラムでアプリでの同様の機能を紹介しました。
アップルのiOS14.5で実装されたATT(デバイスID取得の同意)でも、Googleが広告の推定コンバージョンを予測して出す、という話題に触れました。
Googleはウェブでも同様に、Cookie取得非同意ユーザーについて、コンバージョンの数と割合を予測して出してくれます。
その推定コンバージョンは、入札にも活用されます。

この4回ほどのコラムで、プライバシー保護について書いてきました。
プラバシー保護への対応は、かなり面倒な世界です。仕様もわかりにくく、設定も複雑です。もはや担当者が把握できるレベルではなくなってきています。
面倒な設定は、もうGAのリセラーなどのパートナーにまかせてしまいましょう。また、広告の計測データはGoogleの機械学習にまかせてしまうのが早いです。
デジタルマーケティングの担当者はあまり深入りせず、ユーザーの声を聞いたり、キャンペーンの改善に時間を使っていくべきです。

コラム担当スタッフ

大内 範行

アナリティクスアソシエーション
代表
オオウチコム

アナリティクスアソシエーション代表
日本アイ・ビー・エム、マイクロソフト、Google。Googleでは2011年から7年間、Googleアナリティクスのマネージャなどを歴任。その他、SEO会社起業や日本の事業会社のデジタルマーケティングに従事してきた。
2019年からはJellyfishにVP Analyticsとして参画。
並行して2008年から協議会「アナリティクスアソシエーション (a2i.jp)」代表としてウエブ分析の普及に取り組んでいる。
仕事の傍SEOやアナリティクスの書籍も多数執筆。
主な著書『できる100ワザ SEO&SEM』、『できる100ワザ Google Analytics』、『SEM Web担当者が身につけておくべき新100の法則』など。
また、仕事の傍ら、幕末 徳川慶喜についての小説も執筆出版している。
『ケイキ君と一緒!: 幕末 最後の将軍 徳川慶喜「もしも」の物語』
幕末沼 徳川慶喜よくある質問

主な講演

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