コラムバックナンバー
アナリティクスアソシエーション 大内 範行
発信元:メールマガジン2021年4月7日号より
これまで a2iでは、ウェブ解析だけでなく、モバイルアプリ解析についても、FirebaseやAppsFlyerなど、年に一回のトピックとしてセミナーを開催してきました。
アプリ解析のセミナーも毎回満席になる人気ですが、セミナー参加者の顔ぶれはウェブのときとは変わり、エンジニアの方が中心になってきます。
モバイルアプリ開発は、人材不足なアプリエンジニアへの依頼も高額になりますし、アプリ本体の開発負荷が高いので、ユーザー行動データの計測、Firebase Analyticsのイベント設定などのために、ちゃんと開発費用をかける、というのは難しい環境でした。データ解析なんてとてもとても、と、どうしても後手に回ってしまう企業が多かった印象です。
しかし、アプリ開発でもノーコードやローコードと呼ばれるサービスが急激に増えてきました。ノーコードと聞くと、第一印象として「ちゃちい」ものに思えるかもしれませんが、今やそのイメージは完全に様変わりしています。
プロトタイプ作りであれば、数日でもできてしまいます。そうはいっても、本格的なリリースまでのラストワンマイルは、想像以上に大変なのですが、それは開発の問題というより、コンテンツやサービス内容の品質整備の話です。
市場はこれからどんどん変わり、これまであきらめていた人たちも参入しはじめます。今まで「アプリなんてうちの体力ではとても無理」と思っていた事業者が、アプリに乗り出す取り組みが増えていくでしょう。
ではノーコードアプリのデータ解析環境、いったいどうなっているのでしょうか?
ウェブのサイト制作でもノーコードの広がりはアプリ以上に大きいです。ただ、こちらは、メジャーどころのノーコードツールがすでにGoogle アナリティクスに対応しています。
特にECストア系については、Shopifyを筆頭に、Wixなどもページビューなどの基本データだけでなく、拡張eコマースに標準で対応済みです。
まあ、今後GA4に対応するかですが、急ぐ話ではありません。
新規制作もすぐできて、改善も容易で、データ解析もできるわけですから、申し分ありません。
しかし、アプリの方は様相が違います。
一通り、アプリのノーコードツールを見ても、Firebase Analtyics などへの対応をうたっているものは少なく、ウェブビュー部分でウェブ側のGoogle アナリティクスに対応している、と主張していたり、古いGA Apps SDK(すでにサポート切れ)の説明をまだ続けているサービスもあったりします。私が見た限り、まだまだな感じです。
アプリこそ、UX改善や機能追加への対応は待ったなしです。アプリはロイヤルユーザーとのコミュニケーションが主な目的でしょうから、データに基づく改善やプロモーションを怠っていては、かえって顧客離反やブランド低下を招き、逆効果です。
今後アプリ用ノーコードプラットフォームの選択では、「アプリ制作が簡単」なだけでなく、「改善しやすい」「計測しやすい」ものを選ぶことが、生命線になります。
アプリ用のノーコードサービスも、データに基づくアプリ改善をうたう「計測しやすさ」を一丁目一番地においたサービスが待たれるところです。
アナリティクスアソシエーション代表
個人情報保護士、専門統計調査士
日本アイ・ビー・エム、マイクロソフト、Googleなどを経験。Googleでは2011年から7年間、Googleアナリティクスとダブルクリック広告のマネージャなどを歴任。
2019年からはJellyfish 副社長 VP Analyticsとして参画し、2021年からはアユダンテ株式会社でCSOに就任。
並行して2008年から協議会「アナリティクスアソシエーション (a2i.jp)」代表としてデジタルマーケティングのデータ分析の普及に取り組んでいる。
仕事の傍SEOやアナリティクスの書籍も多数執筆。
主な著書『できる100ワザ SEO&SEM』、『できる100ワザ Google Analytics』、『SEM Web担当者が身につけておくべき新100の法則』など。
2026/05/20(水)
セミナー「事故から学ぶ理想のGoogle タグ マネージャー運用 ― 計測トラブルを防ぐルール設計と運用の現実解」 【a2i DEEP Connection】|2026/5/20(水)
誰も全体を管理していない、複数の支援会社がそれぞれのルールで触っている、気付かないまま計測トラブルが起きている。そんなGoogle タグ マ …
2026/04/22(水)
オンラインセミナー「「AIで分析」と聞いて身構えるみなさんへ。コード不要で進める時短ウェブサイト改善」|2026/4/22(水)
「AIで分析」と聞いて身構えていませんか?まずは30秒で内容をご確認ください 「AIで分析」と聞いた瞬間、急にハードルが跳ね上がる感覚はあり …
2026/03/18(水)
オンラインセミナー「GA4×生成AIで改善提案の精度を高める ― AIから「使える施策」を引き出す実践アプローチ ―」|2026/3/18(水)
GA4によるサイト改善は、生成AIと組み合わせることで新しい段階に入りつつあります。 しかし一方で、「AIに分析させても表面的なコメントしか …
【コラム】AIで支援会社の仕事はどう変わる?──意思決定支援の超伴走型へ
アナリティクスアソシエーション 大内 範行支援会社はお役御免になるのか? 「生成AIがすごすぎて私の仕事がなくなるか不安です」 支援会社やコンサルティングのそんな声を、よく耳にするよ …
【コラム】生成AI時代だからこそ、私はペルソナを大切にしたい
株式会社A-can 白砂 ゆき子「ペルソナなんて、いらないのでは?」 最近、そんな声を聞く機会が増えました。 私がペルソナの要・不要を改めて考えるきっかけとなったのは、最近 …
【コラム】「生成AIで人員を減らせる」は本当?─デジタルマーケティング組織はむしろ強化すべき
アナリティクスアソシエーション 大内 範行デジタルマーケティングやデータ分析の仕事がどう変わるか、というのが私の今年のテーマです。それは事業会社と支援会社の関係の変化につながり、「支 …