コラムバックナンバー
アナリティクスアソシエーション 大内 範行
発信元:メールマガジン2020年10月21日号より
新しいGoogle アナリティクス アプリ + ウェブのサービス名がGoogle アナリティクス 4(GA4 = ジーエーフォー)に変わりました。サービス名だけでなく、この新バージョンは計測方法やデータ構造まで含めた大変革です。でも今日はその話題ではなく、「いや、よくここまで変えるよな」というお話です。
外資系企業(Microsoft や Google) での拙い経験では「あるある」なのですが、製品名やロゴを変えたり、それまで続けてきたサービスを捨てて根本から作り直したり、リリース直前のサービスをあっさり捨ててしまったり、といった風景をずっと見てきました。
Googleは特に大胆(乱暴?) で、最近では G Suiteが Google Workspaceに変更になり、Googleアナリティクスの新しいバージョンは GA4 になりました。
私たちはその度に、新しい対応を迫られ、資料を作り直しながらぶつぶつ文句を言うわけですが、一方で「まあ Googleだから仕方ないか」とあきらめつつ「これが強みでもあるな」と半ばまぶしくもあるわけです。
さて、新型コロナの中、給付金やマスクの配布を通じて、日本のITがまったくダメダメなことが明らかになりました。政権交代を機にデジタル化が盛り上がっています。「ハンコや領収書をやめるぞ」という掛け声も高まり、いよいよ日本も変わる機運でしょうか?
なくす方はともかく、新たな基盤を作り上げる取り組みは、そう簡単ではありません。
企業もデジタル化推進にはかなり苦労しています。企業の組織やプロセス、技術が、変革に対してシンクロすることが不可欠ですが、なかなかそうはいきません。これまでのサンクコスト(回収できなくなった埋もれた投資費用)にこだわってしまったり、縦割りをこえた最適化に踏み出せなければ、中途半端につなげたシステムやかえって手間がかかるプロセスができあがってしまいます。
たとえばマイナンバー。
マイナンバーのID管理で、スマートなサービスを実現する取り組みは、日本政府が推進するデジタル化の要でしょう。これから新しい取り組みがどんどん推進されていく、という期待感が先行しています。
でも早晩、改修の時間とコストが巨額になり「根本から作り直した方が速いのでは?」という議論が起きるでしょう。これまでのように、中途半端に妥協点を見出しながら建て増しをしていけば、手に負えないゾンビシステムができあがることでしょう。
一方でこの状況を乗り越えて進むには、サービスを受け入れる側の私たちも、変化に対応することが必要だと感じています。正しく前向きな変革なら、多少の混乱やトラブルも「改善し続けるベータ版」として受け入れる姿勢が持てれば助けになるはずです。減点主義で常に失敗の責任を糾弾する世論ではなく、変革に対し建設的でおおらかな姿勢を持ちたいと思います。
2020年代のこれからの10年間、企業も国家もデジタル化の変革に対応できるのか? これを書きながら、本音では不安がありつつも、日本の運命を決める重要な10年を楽しんでいきたいと思います。
アナリティクスアソシエーション代表
個人情報保護士、専門統計調査士
日本アイ・ビー・エム、マイクロソフト、Googleなどを経験。Googleでは2011年から7年間、Googleアナリティクスとダブルクリック広告のマネージャなどを歴任。
2019年からはJellyfish 副社長 VP Analyticsとして参画し、2021年からはアユダンテ株式会社でCSOに就任。
並行して2008年から協議会「アナリティクスアソシエーション (a2i.jp)」代表としてデジタルマーケティングのデータ分析の普及に取り組んでいる。
仕事の傍SEOやアナリティクスの書籍も多数執筆。
主な著書『できる100ワザ SEO&SEM』、『できる100ワザ Google Analytics』、『SEM Web担当者が身につけておくべき新100の法則』など。
2026/03/18(水)
オンラインセミナー「GA4×生成AIで改善提案の精度を高める ― AIから「使える施策」を引き出す実践アプローチ ―」|2026/3/18(水)
GA4によるサイト改善は、生成AIと組み合わせることで新しい段階に入りつつあります。 しかし一方で、「AIに分析させても表面的なコメントしか …
2026/02/19(木)
オンラインセミナー「GA4×ヒートマップで成果を出すCVR改善入門」|2026/2/19(木)
本セミナーは、Google アナリティクス 4(GA4)とヒートマップを活用してCVR改善の施策設計と効果検証を再現性高く行うための実践的な …
2026/01/22(木)
オンラインセミナー「検索行動・消費者分析ツール「DS.INSIGHT」の最新機能と活用事例」|2026/1/22(木)
ツール研究会の3回目は、DS.INSIGHTがテーマです。 このセミナーは、どなたでも参加可能です。 一般の方の申込には、ライト会員(登録・ …
【コラム】生成AIは「飼い主」を選ぶ──GA4×生成AIで「使える施策」を引き出すために
アナリティクスアソシエーション 大内 範行生成AIに仕事をさせてみたものの、表面的なコメントしか出てこなかった──そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 「プロンプトが悪 …
【コラム】2026年以降も生き残るであろうアクセス解析業務とは?
株式会社MOLTS/株式会社月曜日のトラ 西 正広こんにちは、月曜日のトラの西です。 私は2006年に社会人となり、社会人1年目からアクセス解析ツールに触れてきました。2026年は、私がアク …
【コラム】生成AIはデータ分析をどう変えていくのか?自動運転レベルに学ぶ3段階の進化へ
アナリティクスアソシエーション 大内 範行2026年が明けました。今年は「生成AIを使ったデータ分析」が、大きなテーマになりそうです。 年初のコラムですし、まずは少し広い視野で、デー …