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これからウェブのデータ分析を学ぶ人がどんなツールからはじめればよいのか?
あるとき、そんな話題になりました。プログラミングは無理という文系タイプの方々が前提の話です。

少し前なら答えは間違いなくGoogle アナリティクスだったでしょう。
Google アナリティクスなら、技術やプログラミングに弱いいわゆる文系人間でもデータ分析に取り組めました。ウェブデータ分析をこれだけ広げた功績は大きいです。しかし、2019年が終盤にきた今、あなたならどう答えるでしょうか?

「もうGoogle アナリティクスの画面を操作する仕事がなくなってきてますね」
Google アナリティクスを中心に仕事をしているコンサルティング会社の人にそう言われました。確かにここ数年は似た会話が増えていましたが、Google アナリティクスの書籍を出している会社の方だったので、改めてそのトレンドを実感しました。

今年を振り返ると、私が接している範囲でも、ウェブデータだけでなく、複数のデータを組み合わせた分析が増えてきました。本来なら、ウェブで完結するeコマースのサイトでも、店舗とウェブとの会員の統合が本格化して、両者のデータを組み合わせた分析が楽しくなってきました。

Google アナリティクスにもデータインポートの機能はあります。しかし、過去にさかのぼった分析が難しいなどいろいろ制約があり、使い勝手はよくありません。外に素材データを抽出して、分析する取り組みが中心になってきます。

とはいえいきなり、DMPですべてを分析する、という話は重すぎます。
データ統合が盛んになる中、一方で問題になっているのは、データを一箇所に収めたあとに何を分析するのか? 肝心の点で分析が立ち行かないケースが多く発生していることです。
そもそも統合に手間がかかって進まなかったり、統合や前処理が困難だったり、実際に有効となるデータ量が想像以上に少ない、といったケースもあります。統合したデータでダッシュボードを作っても、誰も見てないというケースもあります。
データを統合すれば何かすごいことがわかる、という無邪気な発想は警戒して、現実にどうなるのかを早めに可視化して進めるべきです。

「データ統合するなら、まずエクセルでつなげてみれば?」
半分笑い話のようですが、数日分のサンプルデータをもとに、エクセルで手元集計をしてみることはとても有効です。
素材データを眺めれば、前処理に何が必要でどの程度の手間がかかるか、その手触りもつかめます。個人情報の取り扱いが必要か、という重要な判断も、この段階で見通しが立つはずです。実際に分析した際に得られる成果も想像できます。全体に統合の負荷と費用、そしてそこから得られる成果も、ある程度経験があれば推計できるでしょう。
BigQueryなどSQLデータベースで、SQL言語が使えれば、さらにデータ量を増やして、高度な分析も試せます。SQLは言語ですが、文系出身者でもギリギリ取り組めるレベルだと思います。

今後身につけるスキルは、複数のデータをいかに早く自分の手元で集計できるか、その点が大事になってくると思います。統合されるデータや分析のイメージを掴むためには、まず素材データを扱い、その段階で手間をかけることが重要でしょう。

そう考えると、今後取り組むべきツールの答えは、エクセルまたはGoogle スプレッドシート、あるいはBigQueryやRedshiftなどのSQL言語になるでしょう。
BigQueryの進化を見ると、高度な統計関数や機械学習も、SQLで処理される方向に進んでいます。エクセルやGoogle スプレッドシートにも簡単なものが実装されていくでしょう。
BIツールやダッシュボードツールでも、少し込み入ったデータの取り扱いは、SQLや関数を駆使することになるので、SQLがわかっていれば申し分ないと言えそうです。
TableauやGoogle データポータルを使っていても、データの前処理をエクセルやGoogle スプレッドシートで行うという人も多いようです。

エクセルやGoogle スプレッドシートなのか、SQLなのかは、自分の得手不得手を見ながら選べば良いでしょう。いずれにしろ複数の素材データを駆使して、分析のイメージをつけていくことが、今後どんなBIツールを使おうと、基礎になると感じています。

コラム担当スタッフ

大内 範行

アナリティクスアソシエーション
代表
オオウチコム

アナリティクスアソシエーション代表
主な会社経歴は、日本アイ・ビー・エム、マイクロソフト、Google、コニカミノルタジャパン。
Googleでは、2011年から7年間、Googleアナリティクスの技術サービス・マネージャとしてアナリティクスの普及をリードした。コニカミノルタジャパンでは、デジタルマーケティング戦略部の部長として、事業会社のデジタルマーケティング戦略を支援しつつ、ソリューション戦略をリードする役目を担っている。
その他、2000年には自らSEO企業を創業、また数々のSEOやアナリティクスの書籍も執筆してきた。
主な著書『できる100ワザ SEO&SEM』、『できる100ワザ Google Analytics』、『SEM検索連動型キーワード広告 Web担当者が身につけておくべき新100の法則』。
2008年に代表として協議会「アナリティクスアソシエーション (a2i.jp)」を設立し、現在に至るまで10年以上、その企画運営を行っている。2015年6月に協議会アナリティクスアソシエーションから『新しいアナリティクスの教科書』(インプレス)を出版

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