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今回アナリティクスサミットを、丸一日ぶっ通しで聞いて、「ビジネスの意思決定が、完全に顧客経験をもとにされているんだ」という点を実感しました。

4月20日に行われたアナリティクスサミットでは、合計6つの主催者セッションが行われました。業種も多岐にわたり、お話いただく立場も企業の経営陣、部署のリーダー、プロジェクトのマネージャなど多岐にわたりました。その取り組みも、カスタマージャーニーやクロスデバイス分析、メールの改善、アプリのUX改善など多種多様です。多様な話の中に、共通する点もあったと思います。
それは、すべてのチームが、「ビジネス改善の意思決定を顧客経験に基づいて行っている」という点でした。
「顧客経験に基づく意思決定」
当たり前に聞こえるでしょうか?

でも言うまでもなく、私たちは、ウェブやモバイル上の顧客行動そのものについては、いまだに見ることができないのです。
少し前なら、リーダーやトップの経験、別の言葉で言えば「思い込み」で、ウェブビジネスの意思決定が行われていました。
あるいはツールを導入して、データを取っていても、宝の持ち腐れで、顧客行動と結びつける努力をしていない企業も多くいるでしょう。

今回、セミナーのアンケートのうち、一件だけ「これは意思決定についてのセミナーではなかったような」と書いてあるものがありました。
私にとっては不思議な感想でしたし、「いやいや、すべてが意思決定を、まさに顧客経験に基づいて行っていたじゃないですか?」と反論したくなりました。

確かに従来の「リーダーが強い意思で決断をする」というイメージとはギャップがあったかもしれません。
でも、リーダーが強い意思決定をする場面って、経験に頼るしか根拠がない場合に限られるのかもしれません。もし、顧客行動が十分に見えてしまえば、「リーダーの強い意思決定」は不要だったり、前の決定を平気で見直すことが必要だったり、そこには上司も部下もないのだと思います。

一方で、セッションを通じて経営陣やマネージャが果たした役割も見えてきました。
それは、大枠の方向性を決める、データの取得環境を整える、横断組織を機能させる、現場が働きやすいように環境を整える、新しいメンバーへの教育を整備する、といったものだったと思います。
それ以外の判断、広告予算の変更、キャンペーンの取り組み、UXの決定は、ユーザー行動を深めて行く中で決定されていきました。

もし、あなたの組織で、いまだにマネージャやリーダーによって、細かな決断がされているなら、それはアナリティクスが十分に機能せず、顧客が見えていない状態なのかもしれません。

【レポート】アナリティクスサミット2017 (2017/4/20)

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コラム担当スタッフ

大内 範行

アナリティクスアソシエーション
代表
オオウチコム

アナリティクスアソシエーション代表
主な会社経歴は、日本アイ・ビー・エム、マイクロソフト、Google、コニカミノルタジャパン。
Googleでは、2011年から7年間、Googleアナリティクスの技術サービス・マネージャとしてアナリティクスの普及をリードした。コニカミノルタジャパンでは、デジタルマーケティング戦略部の部長として、事業会社のデジタルマーケティング戦略を支援しつつ、ソリューション戦略をリードする役目を担っている。
その他、2000年には自らSEO企業を創業、また数々のSEOやアナリティクスの書籍も執筆してきた。
主な著書『できる100ワザ SEO&SEM』、『できる100ワザ Google Analytics』、『SEM検索連動型キーワード広告 Web担当者が身につけておくべき新100の法則』。
2008年に代表として協議会「アナリティクスアソシエーション (a2i.jp)」を設立し、現在に至るまで10年以上、その企画運営を行っている。2015年6月に協議会アナリティクスアソシエーションから『新しいアナリティクスの教科書』(インプレス)を出版

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