コラムバックナンバー
アナリティクスアソシエーション 大内 範行
発信元:メールマガジン2025年11月26日号より
a2i秋の広告祭が終わりました。
この「a2i秋の広告祭」は、「祭」と銘打った割には極めてマジメなイベントでした。
このイベントを構想して、大きめの広告イベントにいくつか参加してみましたが、すべてが無料で開催されていました。しかも、セッション題名には「CV %アップ」といった魅力的な言葉が並んでいます。他のイベントの方が、よっぽど「祭」の花吹雪が舞っている感じです。
そういったイベントと比べたとき、「これは集客にはだいぶん苦労するぞ」と覚悟しました。
もともと私は、プラキオサウルス並みに気が小さいのです。
「ホントこのイベントやって大丈夫なのか?」と何度も悩み苦しむ日々だった、というのは今だから言えることです。
「イベントの集客は泥臭く」という森野誠之さん(セミナー編成委員)の叱咤もあって、なんとか満員まで持って行けましたが、今は正直ホッとしつつ、フォローアップの仕事をこなしています。
渋谷会場、オンライン会場、アーカイブ視聴、それぞれご参加いただいた方々には改めてお礼を申し上げたいと思います。
集客は、森野さんの叱咤のおかげで満員となりましたが、肝心なのは満足度です。結果として、参加者の満足度は過去のa2iのセミナーと比較してもトップクラス。特に8割以上の方が、他人にもおすすめすると回答してくれました。
主催者が言うのもアレなんですが、この規模のイベントでこれほどの高評価は期待していませんでした。
いただいたコメントの多くは、セッションが違っていたのが良い、というものでした。
「どのセッションもテーマが違うのが良い」「バラバラなのに全体を通した流れが練られていた」などなど。イベント全体を評価してくれた方が多くいたのは、主催した側としてはとても嬉しいです。
今回の企画は私が行ったものではなく、田中広樹さんを中心に、セミナー編成委員で検討を重ねて出来上がりました。
「どのセッションもテーマが違う」のに「全体を通した流れが練られていた」一見矛盾するこの構造こそ、企画をリードした田中さんがショート動画で語っていたキモでした。
企画者の意図がちゃんとアンケートコメントに書かれているのは、本当に良かったと思います。
▼Xのポスト「セッションの「並び順」についてYuwaiの田中さんにお話伺いました」
言語化は難しいのですが、そのストーリーはこんな感じでしょうか?
導入:AI自動化広告の実像と取るべきデータ戦略
展開:分析はどうなるか? 進化するGA4やMMMの広告評価と予測から読み解く
転換:AI化が進みクリエイティブの差別化が難しくなる次の世界にどう対処すべきか?
帰結:データや機械学習の先にあるブランドの価値について
今、活動報告や録画、写真の整理などをしつつ、結局、繰り返されるベース音のフレーズのように鳴っていたのは….
– AI自動化が進むマーケティングの世界であなたはどうするのか?
そんな問いかけだったのでしょう。
イベントが終わった今になってわかった自分が恥ずかしい限りですが、どうやらa2iが今後取り組むべき方向性が、イベントをやってみて腑に落ちました。
このイベントは、意識的に「広告」にフォーカスしています。しかし、今後、a2iが広告だけにシフトするのか、といったらそうではありません。
いわゆるサイト分析、アプリ分析は、もちろん今後とも重要です。
一方でサイトの外側でAIがどんどん知りたいことに答えたり、課題を解決したり、買うべきものをお勧めする世界になることも予測されています。サイト分析が終わるわけではありませんが、サイト分析だけではダメなのです。
GA4の半歩先の進化についてのGoogle 藤吉普人氏のセッションを見ていただいた方はわかるように、Googleアナリティクスも、もはや「単なるサイト分析ツール」ではなくなります。
サイトの外側の人々の行動データも含めて、ファネルの上の方から下まで、サイトの外からコンバージョン(オフライン含む)までを分析するツールになろうとしています。
広告もSEOも同様です。その世界のデータと分析は引き続き大事ですが、その世界のデータに閉じていてはダメ、その「当たり前」を、AIの進化が強烈なメッセージとして私たちに突きつけているように思います。
– AI自動化が進むマーケティングの世界で私たちはどうするのか?
このテーマを今後も皆さんと模索していければと思います。
ひきつづきアナリティクスアソシエーションをよろしくお願いします。
▼Xのまとめリンクはこちら
#a2iseminar #a2i秋の広告祭 デジタル広告の役割を再設計しよう(2025/11/18)
▼有料個人会員、有料法人会員は、このアーカイブ動画を視聴できます。(2026年11月20日まで)
アナリティクスアソシエーション代表
個人情報保護士、専門統計調査士
日本アイ・ビー・エム、マイクロソフト、Googleなどを経験。Googleでは2011年から7年間、Googleアナリティクスとダブルクリック広告のマネージャなどを歴任。
2019年からはJellyfish 副社長 VP Analyticsとして参画し、2021年からはアユダンテ株式会社でCSOに就任。
並行して2008年から協議会「アナリティクスアソシエーション (a2i.jp)」代表としてデジタルマーケティングのデータ分析の普及に取り組んでいる。
仕事の傍SEOやアナリティクスの書籍も多数執筆。
主な著書『できる100ワザ SEO&SEM』、『できる100ワザ Google Analytics』、『SEM Web担当者が身につけておくべき新100の法則』など。
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