【コラム】今後3年は分析ツールの戦国時代? 現状把握/深掘り分析/遷移分析/予測分析

大内 範行 発信元:メールマガジン2018年2月14日号より a2i代表 大内 範行

Google アナリティクスの登場がきっかけで、私はこのウェブ分析の世界に本格的に入りました。そのGoogle アナリティクスはかなりの割合で企業のウェブサイトに浸透してきましたが、ではこれでデファクトが決まったかというとそうではないと考えています。
むしろ今後の3年で、分析ツールの世界は、大きくダイナミックに変わっていくのではないかと予測しています。

改めて、私たちがデータ分析ツールにいったい何をもとめているか、分析という視点にたって分けてみました。それがこの4つです。
現状把握 = ダッシュボード
深掘り分析 = アドホック分析
遷移分析 = カスタマージャーニー
効果予測 = 予測分析やアトリビューション分析

現状のツールをこの4つに当てはめてみましょう。
まず現状把握 = ダッシュボードは、最近進化が著しいData Studioや、Domoなどが当てはまるでしょう。その画面を見れば、今どうなっているかがひと目でわかり、特に気をつけているKPIの定点観測ができます。

深掘り分析では、Google アナリティクスのコアな機能である「アドバンス セグメント」を私はよく使ってきました。しかし、最近ではデータをAPIなどで抽出して Tableau のようなBIツールで分析する場面も増えています。イメージとしては、多くの指標とセグメントを白いキャンパスの上で自由自在に掛け合わせて分析できるツールです。Adobe Analytics の Analysis Workspace は、その一つの答えになっていると思いますし、CRMデータやオフラインデータとの統合も合わせてどのツールがデファクトになるのか注目です。

遷移分析は、Google アナリティクス上のメニューでは行動フローやファネル、ユーザーエクスプローラーがありますが、最近ビービットが出したUsergram は一人の行動が詳細に追える点で興味深いツールです。
ウェブサイトを歩いているユーザーがいったいどう行動しているのか? その行動をつぶさに見たいという気持ちに応える分析のエリアです。
時系列でユーザーの細かな行動を見せていくためには、これまでのデータベースのデータ構造では限界があり、ここに特化したデータプラットフォームとUIが必要になると考えています。
画面の歩き方を見せる点で、ヒートマップツールの発展形も候補になるでしょうし、このエリアでは、独立したプレイヤーが登場しそうです。

効果分析は、まだ本格的なツールがありませんが、ある施策を行ったあと、どの程度の効果があるのか、過去のトレンドデータを元に予測する分析です。A/Bテストやマーケティングオートメーション、広告のアトリビューションのツールにその機能が付加されています。AWS や BigQuery などクラウドの周辺ツールも候補でしょう。
AIが身近になれば発展していく領域ですので、AIを売りに多くのツールが登場してくるでしょう。

こうやって見てみると、導入シェアだけ見れば多数をしめるGoogle アナリティクスも、深掘り分析のエリア以外では、分析者の要望に十分に応えきれていないことがわかります。厳しい目で見れば、その核となる深掘り分析も、Tableau や Analysis Workspace のような高い柔軟性が求められています。

一方で、この4つのエリアをすべて満たすようなツールはまだありませんし、万能ツールの登場はまだ想像できません。Tableau はダッシュボードとしても使えますし、Domo や Data Studio に深掘り分析の機能がつくことも考えられますが、遷移分析や予測分析を十分なパフォーマンスとわかりやすさで実装できるのか、その点は疑問符がつきます。

語りはじめるとコラムが終わりそうにありませんが、今後3年は分析ツールの戦国時代がやってくると考えています。ツールを導入採用する側も、自分が求めている分析領域が何なのか? それを見極めて使っていくことが大事です。

2018年のアナリティクスアソシエーションでは、引き続き分析の基本と事例をお伝えしつつ、こういった新たな分析ツールのトレンドも、皆さんと共有していきたいと考えています。

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