コラムバックナンバー
アナリティクスアソシエーション 大内 範行
メールマガジン2017年9月27日号より a2i代表 大内 範行
データと向き合って分析をしたり、改善施策について考えていると、ああでもないこうでもないと、何度も試行錯誤を繰り返していることがよくあります。改善のポイントがうまく見つかればよいのですが、納得のいく答えが見つからないと、いつまでもデータやセグメントの迷路でうろうろと歩き回ってしまいます。簡単なスクリプトを動かすことも多いので、朝起きると、そのままロジックについて考えている自分がいたりします。
データ分析以外にも、プログラムを書いている時、プレゼンのストーリーを準備している時、脳みそを乗っ取られたように、ずっと考え続けてしまうことがあるでしょう。
私はかなり前に触れた「Managing your energy」という考え方が好きで、頭の切り替えによく活用しています。
“Manage Your Energy, Not Your Time”
私たちは、生産性を上げるために、時間を管理したり、仕事量や順番を管理したりします。しかし、本当に大事な取り組みは、肉体や精神、情熱や心も含めたエネルギーの管理なのだ、というのがこの考え方の基本です。
やることはとても簡単で、90分か120分ぐらいに一回は、デスクワークとは別の行動、歩いたり、話したり、音楽を聴いたりといった、脳みそのチャネルを切り替える習慣をとることです。
これをするだけで、夜中まで働いて何とか乗り切ろうとする、時間に頼る間違ったやり方から離れ、生産性を上げることができます。
単なる気の利いたライフハックというだけでなく、実験結果も公表されていて、有効性が実証されているようです。ある銀行の120名をいくつかのグループに分けて実践したところ、「Managing your energy」の取り組みをしたグループは、ローン業務の売上が20%、他のグループよりも向上するといった結果が得られています。ビジネスのパフォーマンスだけでなく、同僚やお客様とのコミュニケーションも著しく向上したという結果になっています。
この調査結果を信じるかどうかは別にして、「下手の考え休むに似たり」「切り替えが大事」というのは納得のいくところです。
切り替えの方法は、人によって違いますが、私自身は、よくデスクを離れて、歩き回って誰かと話したりといったことをします。切り替えの時間の長さよりは、切り替えの質が大事で、インターネットやスマートフォンから自分を切り離して、脳みそにまったく違う刺激を与えることがよいのだと思います。
イメージとしては、メモリーがいっぱいになって遅くなってしまったスマートフォンを、再起動するような感じでしょう。そう大体のトラブルは再起動すると片付くんです。
これは私個人の感覚ですが、切り替えの習慣だけでなく、煮詰まったらあっさりやめてしまう、ということも実は効果的です。
よい思い付きは、家に向かって歩いている時や、シャワーを浴びているときに、ひらめくこともよくあります。
少し乱暴なので、必ずしもマネしない方がよいでしょうが、締め切りがたとえ目の前でも、「まあどうにかなる」と思って、その日はあきらめて、翌朝集中して取り組んだ方がよい結果が出ることも多いのです。
アナリティクスアソシエーション代表
個人情報保護士、専門統計調査士
日本アイ・ビー・エム、マイクロソフト、Googleなどを経験。Googleでは2011年から7年間、Googleアナリティクスとダブルクリック広告のマネージャなどを歴任。
2019年からはJellyfish 副社長 VP Analyticsとして参画し、2021年からはアユダンテ株式会社でCSOに就任。
並行して2008年から協議会「アナリティクスアソシエーション (a2i.jp)」代表としてデジタルマーケティングのデータ分析の普及に取り組んでいる。
仕事の傍SEOやアナリティクスの書籍も多数執筆。
主な著書『できる100ワザ SEO&SEM』、『できる100ワザ Google Analytics』、『SEM Web担当者が身につけておくべき新100の法則』など。
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