コラムバックナンバー
株式会社Rejoui 菅 由紀子
発信元:メールマガジン2021年11月24日号より
データサイエンティスト協会の定めるデータサイエンティストのスキルチェックリストが更新されました。
2021年度版「データサイエンティスト スキルチェックリストver.4」およびデータサイエンス領域タスクリスト ver.3」を発表
スキルチェックリストは2年に一度改定しており、今回も全面的に大幅な見直しを行いました。今回の更新ではスキル項目が528から572に増加しました。また「必須スキル」と位置づけたスキルの数が増加しました。必須スキルはスキルレベル達成のために必須の位置づけで、たいへん重要なスキルにこれが設定されています。必須スキルを一つでも満たさない場合は、当該スキルレベルを達成できないものとしていますが、この数が増えたことはスキルレベル基準を満たすことがシビアになったと言えると思います。また、大学でのデータサイエンス教育にリテラシーレベルとして定められたモデルカリキュラムとの整合性をとり、AIの活用や機械学習のシステム運用、アルゴリズム、それに伴う倫理課題に関するスキルなどが追加され、★1(見習いレベル)のスキルが相対的に増加しました。
各領域の主なアップデートは下記の通りです。
■データサイエンス領域
基礎数学の重要性見直し、対数・指数や集合に関するスキルが追加され、現在の潮流への対応として機械学習については「学習」と「予測」カテゴリを明確化し、★1スキルが多く追加となりました。データに変更を加え予測モデルを故意に誤らせる敵対的サンプルについてのスキルや、深層学習の活用に関するスキル、深層学習におけるAttention/Transformerや機械学習におけるデータドリフトとモニタリングについてのスキルも近年の技術動向が反映されています。さらに近年特に重要度の増した領域として因果推論、標本抽出、自然言語、画像認識などについても追加されました。
■データエンジニアリング領域
新規カテゴリ「AIシステム運用」が追加され、環境構築技術等、技術トレンドへの対応としてノーコード・ローコード、クラウドマネージドサービス、コンテナ技術、認証、ゼロトラストなどについての対応スキルが追加されました。また、基礎的なスキルとしてリテラシーレベルのプログラミングスキルが追加になりました。一方、HadoopやScala、GPUなど一般化技術の一部はリストから削除されました。モデル作成→モデルの評価→デプロイ→学習データの更新→モデル再学習を実行させていく、AIシステム運用のスキルは更新された領域のなかでも特に重要な位置付けです。
■ビジネス領域
ビジネス領域においても、AI活用時代に必要な観点から多くのスキルが追加されました。ビジネスにAIを活用していくスキルや、そのためのデータ整備を行うスキルが追加されました。また、意図的な悪用やディープフェイク、リバースエンジニアリングなどへのリスク対処ができる「データ・AI倫理」のスキルが加わったのも大きな変化です。データ×AIのプロジェクト、多様なフェーズに対応するマネジメントスキルも見直しされ、分析アプローチの設計のスキルがデータサイエンス領域から移設(Ver2からの出戻り)されました。
AIの普及期に入り、データ・AIを活用したビジネスの推進、変革が求められる時代です。ただでさえ変化の激しいデータサイエンス・AIの領域ですが、じつはこれらの技術動向をキャッチアップできる基礎体力を持ち続けることが昨今のデータサイエンティストに求められる一番の資質です。その資質を持つには今回増加した★1レベルの必須スキルを獲得することが一番の近道です。このスキルチェックリストは2年に一度の更新ですが、常に最新動向を追い続けること、それを実践してみるマインドを持ち、データの力を解き放つ方が1人でも多く増えることを願っています。
株式会社サイバーエージェント、株式会社ALBERTを経て、2016年に株式会社Rejouiを設立。DX推進支援、データ分析・利活用コンサルティング、データサイエンス教育事業などを展開。
統計ソフトRやPythonを活用した分析入門講座をはじめ、学生、企業、官公庁へ向けた統計・データサイエンス学習講座を提供。日本行動計量学会、WiDS TOKYO @ YCU、日本RNAi研究会等、数々の学会およびシンポジウムに登壇。自身がアンバサダーを務める人材育成の活動(WiDS HIROSHIMA)が評価を受け、2021年度日本統計学会統計教育賞受賞。
2026/03/18(水)
オンラインセミナー「GA4×生成AIで改善提案の精度を高める ― AIから「使える施策」を引き出す実践アプローチ ―」|2026/3/18(水)
GA4によるサイト改善は、生成AIと組み合わせることで新しい段階に入りつつあります。 しかし一方で、「AIに分析させても表面的なコメントしか …
2026/02/19(木)
オンラインセミナー「GA4×ヒートマップで成果を出すCVR改善入門」|2026/2/19(木)
本セミナーは、Google アナリティクス 4(GA4)とヒートマップを活用してCVR改善の施策設計と効果検証を再現性高く行うための実践的な …
2026/01/22(木)
オンラインセミナー「検索行動・消費者分析ツール「DS.INSIGHT」の最新機能と活用事例」|2026/1/22(木)
ツール研究会の3回目は、DS.INSIGHTがテーマです。 このセミナーは、どなたでも参加可能です。 一般の方の申込には、ライト会員(登録・ …
【コラム】生成AIは「飼い主」を選ぶ──GA4×生成AIで「使える施策」を引き出すために
アナリティクスアソシエーション 大内 範行生成AIに仕事をさせてみたものの、表面的なコメントしか出てこなかった──そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 「プロンプトが悪 …
【コラム】2026年以降も生き残るであろうアクセス解析業務とは?
株式会社MOLTS/株式会社月曜日のトラ 西 正広こんにちは、月曜日のトラの西です。 私は2006年に社会人となり、社会人1年目からアクセス解析ツールに触れてきました。2026年は、私がアク …
【コラム】生成AIはデータ分析をどう変えていくのか?自動運転レベルに学ぶ3段階の進化へ
アナリティクスアソシエーション 大内 範行2026年が明けました。今年は「生成AIを使ったデータ分析」が、大きなテーマになりそうです。 年初のコラムですし、まずは少し広い視野で、デー …