コラムバックナンバー
株式会社Rejoui 菅 由紀子
発信元:メールマガジン2021年5月26日号より
DXという言葉にそろそろ食傷気味な日々です。言葉が流行り始めた頃はAIやビッグデータがバズワードとなった際と似た印象ももっておりましたが、DXもどうやら今がピークでもう少し長期に取り沙汰される言葉となりそうと感じています。
新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、1年前から働き方が変わり、非接触サービスやオンライン、リモート対応を進めるためにもデジタル化は待ったなしの状況となりました。感染拡大防止やワクチン接種のオペレーションなど行政サービスにおいてもデジタル技術の活用が注目されていますし、9月のデジタル庁の新設も大きく影響しています。
DXとは何か
これだけのバズワードでもあり、2010年に経済産業省がDXについてのレポートを公開しているにもかかわらず、DXとは何かをよく知らないという方は多くおられます。また、知っていても正しく理解しているとは言えない方も多いようです。
経産省ではDXの定義を「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義付けています。
そして以下は私なりの分類ですが、組織においてのDXは「業務効率化のDX」と「新たなる価値創造・イノベーションのためのDX」の2つに大別されます。デジタル技術を活用して人手がかかることを機械に置き換え、生産性を向上させようとすることももちろん大切ですが、劇的に社会が変革する昨今にあって業務効率化をした上で、ビジネスそのものを変革し新たなる価値創造・イノベーションを起こすことこそがDXの真の目標であるはずです。
DX推進の資産となるデータと統合管理
DX推進のため、あらゆる企業が行なっているのが情報の機械判読化とデータの統合管理、そして価値を生む可能性のあるデータであるかどうかの取捨選択です。データが21世紀の石油と(金脈とも)言われる時代にあっても保持するにはそれなりのコストがかかります。全て保持できればそれに越したことはありませんが、もちろんそうはいきません(データダイエットという言葉もあるほど、見極めて有益な情報だけ保持することは必要です)。そして、見極めて蓄積し続けるようになるとしたら、それを管理する役割が必要です。そこで注目されているのが「データスチュアード」と呼ばれる役割です。
データ管理に不可欠な存在となるか? データスチュアード
私が初めてこの言葉を聞いたのは2年くらい前でした。スチュアード(steward)は執政、管理者、管財人などといった意味がありますが、データを資産だと位置付けると管財人というのが相応しそうですが、求められる役割としては「統合管理責任者」といったところでしょうか。経営に近いCDOとはまた少し違う現場寄りの役割です。
管理するべきデータを定義し、利活用の状況を管理し、新たなデータの取得や管理ポリシーを決めることが主な役割です。
IoTデバイスや通信技術の進化が加速度的であるいま、多様化するデータの様式を決め、管理する職種はこれからより注目されるかもしれません。
株式会社サイバーエージェント、株式会社ALBERTを経て、2016年に株式会社Rejouiを設立。DX推進支援、データ分析・利活用コンサルティング、データサイエンス教育事業などを展開。
統計ソフトRやPythonを活用した分析入門講座をはじめ、学生、企業、官公庁へ向けた統計・データサイエンス学習講座を提供。日本行動計量学会、WiDS TOKYO @ YCU、日本RNAi研究会等、数々の学会およびシンポジウムに登壇。自身がアンバサダーを務める人材育成の活動(WiDS HIROSHIMA)が評価を受け、2021年度日本統計学会統計教育賞受賞。
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