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2月中旬に初めて加藤公一レオさんのセミナーに参加してきました。そこで「これから層」の初心者に向けて、A/Bテストやアナリティクスのツールなど、今までとは違うお膳立てが必要なのでは、と考えるきっかけがありました。多くの方がご存知だと思いますが、彼は通販王国と言われる九州で大手通販企業から200億円以上の広告費を預かって何百というA/Bテストを繰り返し、ネットでの単品通販で成果を出しているという「売れるネット広告社」の社長さんです。

「こうやれば絶対に成功する」といった、あの情熱的な語り口は好き嫌いがあると思いますが、成功法則などを出し惜しむ中途半端な人とは比較にならないほど明確な論拠や実例、そしてノウハウを出し切る姿は清々しいほどで、私は嫌いではありません。

そんな彼のセミナーを聞いても、恐らく誰も面倒でマネしてくれなかったのでしょう。セミナーとは大体そういうもので、いいことを言っているんだけど、聴衆の何%もマネすることはありません。

確かにランディングページを新たに作成し、フォームも作り替えなければいけない、フォローメールなども適切なタイミングで出さなければいけないと、まずはその仕組みの導入からやらなければいけなくて、結局はハードルが高い訳です。真似したくても簡単に始められない。

そこで、導入の敷居を下げてもらうため、そのノウハウを簡単に実現できる仕組みを九州大学発のITベンチャーに頼んで、「売れるネット広告つくーる」というASPを開発してもらったそうです。それを今は安価に提供しているということでした。そしてそこにノウハウの全てをテンプレート化して提供しているらしいのです。

結局は普及させるためには、仕組みをシステム化して提供し、利用者はわずかな準備で素早く成功のノウハウを実行できるようになることが不可欠だということでしょう。

その後聞いた別のマーケティングオートメーション系ベンダーのセミナーでは、新規顧客から通常顧客へ、そして優良顧客へと誘導あるいはフォローしていくために、このような法則性で自動メール配信シナリオをこのツールに登録して実行するとよいです、といった話がありました。

そして皆さんの問題意識に応じてどうにでも設定準備して下さいというのが基本らしいのですが、さすがにそれでは売れないと思ったのか、先ほどの自動メール配信シナリオの典型的な設定がしてある状態を、安価に提供しますという紹介が後半にありました。

やはりこれだけシステムが高度化してくると、何でもできるということは、結局何もできずに途方に暮れるわけで、典型的な利用パターンが実装済みのパッケージを提供して、とにかくここから始めて下さいというアプローチにしないと、気軽に誰でも使えるツールにはなり得ないと感じました。

ウェブ解析のダッシュボードなどでも同じで、とにかく管理職の人はこれだけ見て下さい、週に一度確認する担当者はこのダッシュボードをとにかくまずは見ることから始めて下さい、くらいから始められるようにすることが重要なのではないかと思い始めています。

当然データを見てふーんと思うだけでは意味がありません。データを見ることが目的ではないはずですから。誰が見ても、問題があったらそれに気が付く、かつ簡単なダッシュボードでいいので、そういうものから始められるようになるといいなと思いました。

一方で、そういう良質なダッシュボードって、あまり見たことがありません。私が今まであまり関心を持っていなかったからかもしれませんが、何でも組み合わせて簡単に作れて見られますからということで、軽視されてきたからかもしれません。

個人的にはテンプレート化は好きではなく、ダッシュボードなどもあまり利用しないのですが、コンパクトに情報が詰まって、行動に繋がるダッシュボードは重要だと思います。特に初心者向けには大事な要素かなと改めて思ったしだいです。

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