コラムバックナンバー
株式会社Rejoui 菅 由紀子
発信元:メールマガジン2023年4月5日号より
Generative AIの話題が世の中広く語られていますね。かねてより生成系のアルゴリズムはこの4~5年話題になっていましたが、2022年11月末のChatGPTの発表、そして先月のGPT-4の発表、マルチモーダル化も相まってこの1ヶ月で日本国内だけでも多くのソリューションが発表されました。さながらGenerative AIの春といったところでしょうか。少し喧騒も落ち着いてきたところかと思いますが、今回はこのような大きな変革が起きた2023年春、これからの時代に求められる人材について(もはや食傷気味なテーマのようにも感じますが)考えてみたいと思います。
データの入手スキル
これは生成系アルゴリズムを用いる場合以外にも、これからのビジネスにおいてインパクトを出すためには必要なスキルです。いくら「それなりに上手な」文章や画像を再生できる学習済みアルゴリズムを手に入れたとしても、インプットする情報が粗末では、そのまま粗末な、あるいは無難な出力結果が得られることでしょう。
データにアクセスする力については過去のコラムにも寄稿していますのでご参考ください。
【コラム】データにアクセスするチカラ
問いを立てる力
たとえば需要予測を行うデータサイエンティストがモデルのヒントにするべくChatGPTに聞いてみることを考えてみましょう。
下記のどれが、最もヒントになるでしょうか。
1. 需要予測のデータサイエンスについて教えてください
2. 需要予測に用いられる代表的な時系列モデルを教えてください
3. 需要予測に用いられる時系列モデルを3つと、それぞれサンプルコードを示してください。
これは紛れもなく3.です。
制約条件を加えることによって、その出力結果は全く異なるものになります。
いかに言語化できるか、機械にインプット命令を与えられるか。これはGenerative AIの学習データや根幹となるアルゴリズムの概念が理解できているとなお良さそうです。問いを立てる力は思考力と言語化力に他なりません。考える力がなければ、うまくAIに書くことすらできないことになります。
AIの出力結果を見抜く力
インターネット検索による結果が全てではないことと同様に、Generative AIの出力結果はあくまで学習データありきの世界です。もちろん、現在 世界中の人が日夜この仕組みを使うようになり、各社のGeneratvive AIは飛躍的にたくさんの学習データを入手できるようになりました。しかし誤った出力は多く見かけます。何らか「それらしいもの」は生成してくれますが、その結果が妥当かどうかは人間が判断しなければなりません。私は色々なAIに「走れメロスと杜子春の違い」を説明してもらいましたが、結果はどれもお粗末でした。
今回の変革はかなりのインパクトがありますが、目的の定義や問の定め方、手法・アルゴリズムの理解、結果についての判断力。これらが本質的に求められることとしては普遍的です。また、生成系のアルゴリズムについての期待はかねてよりありました。結局、ビジネスパーソンがベースに求められるのは、これらを使いこなして課題解決につなげるということ、そして本質を見抜くには技術理解と教養が重要なのだ、ということだと思っています。
株式会社サイバーエージェント、株式会社ALBERTを経て、2016年に株式会社Rejouiを設立。DX推進支援、データ分析・利活用コンサルティング、データサイエンス教育事業などを展開。
統計ソフトRやPythonを活用した分析入門講座をはじめ、学生、企業、官公庁へ向けた統計・データサイエンス学習講座を提供。日本行動計量学会、WiDS TOKYO @ YCU、日本RNAi研究会等、数々の学会およびシンポジウムに登壇。自身がアンバサダーを務める人材育成の活動(WiDS HIROSHIMA)が評価を受け、2021年度日本統計学会統計教育賞受賞。
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