コラムバックナンバー
株式会社Rejoui 菅 由紀子
発信元:メールマガジン2022年4月20日号より
暗号資産(仮想通貨)やNFT(非代替性トークン)、DAO(分散型自律組織)などWeb3.0?と位置づけられるトピックを目にすることが増えてきました。リモートワークやジョブ型雇用などの働き方の変革もあり、コロナ禍に入って2年経過し全スタッフリモートワークを継続している当社の事情もあって、DAO的な組織の在り方には個人的に非常に注目しています。
DAOとはなにか
DAO(Decentralized Autonomous Organization)とは「分散型自律組織」を言い、ブロックチェーン上で世界中の人々が協力して管理・運営される組織の名称です。従来のトップダウン・ピラミッド型の指示命令系統・意思決定が行われる組織に対し、DAOは組織内に階層構造を持たず、フラットに構成されています。また、その組織の参加者には全員に意思決定の権限が与えられており、意思決定はその組織に定められた方法で行われます。ブロックチェーン技術・スマートコントラクトを用いる組織であるため、取引はすべて記録に残り、誰しもが見ることができます。「開かれた」組織であるといえます。
分析プロジェクトの分業化とDAO
データ分析のプロジェクト遂行において分業化は可能で、分析目的の共有とタスクの切り出し、特に成果物の定義がしっかりと行われていれば、かなり機能するものです。プロジェクトマネージャーによる細やかなフォローアップと、時に大胆な方針転換が必要とされるケースもありますが、分析の要件定義がしっかりと行われていれば手戻りも少なく済みます。そのため、DAO型組織はデータ分析プロジェクトには非常に適しているのではないかというのが私の見解です。
とくに、ビジネスにおけるデータ活用はそもそもがロジカルな意思決定に基づくわけですから、そのDAOに参加するデータサイエンティスト、データアナリストには非常にフレンドリーな世界になりえるのではないかと感じています(論理ではなく感情的な意思決定を行うデータ使いのかたも存在するかもしれませんが)。そう遠く無い将来、企業などの縦型組織にとらわれない、枠を超えたデータ分析のプロジェクトが多く成り立つと期待しています。Kaggleなどのチームで行うデータコンペは類似した組織体かもしれません。
DAO型分析プロジェクトに必要なもの
データ分析のプロジェクトにおいては、その秘匿性の高さから組織外との連携が許されないことが多くあります。DAOにおいては、それがブロックチェーンの技術で担保されますから、流出や改ざんなどのリスクはむしろ低くなります。ただし「誰でも参加できる」というリスクは生じてしまうため、独自トークンの発行には様々な条件を付与する必要があります。また、参加者が増えれば増えるほどその意思決定には時間がかかりますし、意思決定が最適であるとは限らないというリスクも存在します。データ分析プロジェクトに特化したDAOの在り方については、私も引き続き考えていきたいと思います。
株式会社サイバーエージェント、株式会社ALBERTを経て、2016年に株式会社Rejouiを設立。DX推進支援、データ分析・利活用コンサルティング、データサイエンス教育事業などを展開。
統計ソフトRやPythonを活用した分析入門講座をはじめ、学生、企業、官公庁へ向けた統計・データサイエンス学習講座を提供。日本行動計量学会、WiDS TOKYO @ YCU、日本RNAi研究会等、数々の学会およびシンポジウムに登壇。自身がアンバサダーを務める人材育成の活動(WiDS HIROSHIMA)が評価を受け、2021年度日本統計学会統計教育賞受賞。
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