コラムバックナンバー
株式会社Rejoui 菅 由紀子
発信元:メールマガジン2021年10月20日号より
先日発表されたノーベル経済学賞の受賞者、デービッド・カード、ヨシュア・アングリスト、グイド・インベンスの3氏は「自然実験が知識の源泉となることを示し、因果関係に関する分析の質を高めた」ことによりノーベル賞の受賞が決定しました。3氏の研究は統計的因果推論にかかわるもので、データサイエンス・統計学に携わる人々の間では大きな話題となりました。経済学の分野においては原因と結果の関係性や事象の背景を把握することはかねてより行われておりますが、今回のノーベル賞の受賞理由で、今後のこの分野に対するさらなる発展に期待が寄せられています。
その理由の一つが、以前のコラムでも取り上げた「AIの説明可能性・解釈可能性」にあると私は考えています。解決思考で精度を高めていく機械学習、AIのアプローチは現在さまざまな領域で活用が進んでいますが、一方で人間は原因と結果を把握したい存在であり、近年「説明可能なAI」「解釈可能なAI」は注目されています。また、要因把握に重きを置く立場である統計的因果推論は、私のこの数年の1番の興味関心でもありました。それらについては過去のコラムで触れておりますので是非ご一読ください。
統計か? 機械学習か? 2021年どちらを学ぶべきか
説明可能なAI、解釈可能なAI
統計的因果推論とは何か
統計的因果推論は、観察や実験データから得られた情報をもとに、事象の因果効果を明らかにしようとする統計的アプローチです。特にマーケティングや医療の分野で広く使われているアプローチです。
押さえておくべきポイント
統計的因果推論そのものを専門的に学ぶことは、多くの方に求められるものではないと思いますが、これから注目される領域であるため下記については押さえておいていただいて良いのではないかと思います。
1)相関関係と因果関係の違いを説明できる
2)観測変数・潜在変数と因果関係について言葉の使い分けを押さえておく
3)因果効果がどのように定義されるかについて押さえておく
次回はこれらについて詳細を書いてみたいと思います。
株式会社サイバーエージェント、株式会社ALBERTを経て、2016年に株式会社Rejouiを設立。DX推進支援、データ分析・利活用コンサルティング、データサイエンス教育事業などを展開。
統計ソフトRやPythonを活用した分析入門講座をはじめ、学生、企業、官公庁へ向けた統計・データサイエンス学習講座を提供。日本行動計量学会、WiDS TOKYO @ YCU、日本RNAi研究会等、数々の学会およびシンポジウムに登壇。自身がアンバサダーを務める人材育成の活動(WiDS HIROSHIMA)が評価を受け、2021年度日本統計学会統計教育賞受賞。
2024/12/10(火)
オンラインセミナー「【GA4導入・活用術】事業会社と自社サービス担当者が語る!」|2024/12/10(火)
GA4を導入したいけれど、チーム内の理解を得られずに進められない、または導入はしたものの活用しきれていない――そんなお悩みはありませんか? …
2024/11/13(水)
オンラインセミナー「参加無料!超初心者向け!GA4にログインはできた。その次に何をすればいいかわからない人のためのセミナー。サイト改善の知恵袋付きです。」|2024/11/13(水)
GA4にログインしても何が何だかさっぱりわからないことは多いですよね。でも、Webサイトのことは知りたいし、できれば改善点も知りたい…。そん …
2024/10/30(水)
オンラインセミナー「コンテンツのKPIと評価~GA4を使った効果分析~」|2024/10/30(水)
オウンドメディアを運営し、コンテンツマーケティングに取り組む企業が増えていますが、「どのように評価すればよいかわからない」「コンバージョンが …
みなさんこんにちは。渋谷にある大学、日本経済大学で教員をしております、金谷武明と申します。以前はGoogleという会社でYouTubeで検索 …
衆議院選挙が終わりました。選挙のたびに開票の時刻と同時に当選確実が出る「出口調査」の予測が話題になります。 今回、開票と同時に出した主要メデ …
【コラム】最終的に固有名詞で指名検索されるにはどのようなコンテンツマーケティングに取り組むべきか、と考える
株式会社真摯 いちしま 泰樹生成AIの急速な展開にやや戸惑い気味です。普段の業務や調べ物に生成AIを利用する機会が増えましたが、コンテンツ制作やアウトプットの課程が変わ …