コラムバックナンバー

データ分析のスキル、データリテラシー、そしてエンジニアリングのスキルを当然のように身に着けた若者が社会に解き放たれる時代がもうすぐそこまでやってきています。大学におけるデータサイエンス科目は必修化され、各大学でのカリキュラムやコースも出揃ってきました。令和4年度からは高等学校において「情報II」内でデータサイエンス・機械学習の指導が開始されます。社会におけるデータサイエンスのニーズの高まりを受け、教育は確実に変化しています。

さらには、それらのリテラシーを証明するものとして、データサイエンティスト協会からは「データサイエンティスト検定 リテラシーレベル(DS検定™★)」が今秋から開始されることが発表されました。

「データサイエンティスト検定 リテラシーレベル(DS検定™★)」を今秋より開始

当然のようにデータリテラシーを得た若者たちが社会に出てきつつあるいま、現在ビジネスパーソンとして働く方たちには、どのような姿勢・スキルが求められるでしょうか。

上記に定められているような「リテラシーとしてのデータサイエンススキル」は習得することが求められます。これには、数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムが定めた「モデルカリキュラム」を参考にしていただくと良いと思います。

数理・データサイエンス・AI (リテラシーレベル) モデルカリキュラム

世の中でどのようにデータ・AIが活用されているか、データを読む・使う際のリテラシー、データを取り扱う際の留意事項、解析の技術としてどのようなものがあるかを「知っている」ということがベースとなっています。

データサイエンティスト協会が開始する「データサイエンティスト検定 リテラシーレベル(DS検定™★)」は、これらのリテラシーに「データを処理し、分析を実行してアウトプットする」入門的なスキルが問われる試験となっています。ビジネスパーソンには、これからはこのレベルが問われることになります。「データの読み書きの基本ができる」スキルであるといえばいいでしょうか。a2iのコラムでも同様のことを何度か書かせていただいておりますが、基本的なプログラミング言語や分析ソフトウエアを用いてデータ処理を行い、データから意味合いを見出す事ができる、AIや機械学習に用いられている「基礎」となる統計数理を理解できていることがポイントになるはずです。そして、一番のポイントはこの領域は進歩が早くそのキャッチアップができることも問われ続けるということです。

今からプログラミングや統計・数理の基礎を学習するのは億劫だという方もおられると思います。向き・不向きもあるでしょうし、学習のための時間の確保が難しい方もおられると思います。しかし、ビジネス領域における知見や商習慣を知り尽くした方たちが、このスキルを獲得することこそが、今後やってくる若者たちにより能力を発揮してもらえるために不可欠であると私は考えています。このようなリテラシーのある若者と、共通言語で会話し、ビジネス上特有のデータの振る舞いをインプットし、様々な視点でデータを眺めることができれば、あらゆる価値創造を行うことができるようになるのではないでしょうか。そしてプログラミングスキル、統計・数理の力を獲得することは、自身のビジネスパーソンとしての市場価値を間違いなく高めてくれるはずです。

私が経営する会社でもこの4月に4名の学生インターンを採用しましたが、みなPythonを当然のように使いこなし、機械学習のモデルを自ら学び、実務適用の場を求めての応募でした。皆さんの興味関心分野や専門分野も皆異なっているのですが、プログラミングと数理の基礎がわかっているというベースがあることにより、インターン同士での業務遂行もスムーズなようです。明らかに異なる時代に入ったのだなと感じています。十数年この世界に身を置く者として、自身のスキルも磨きつつ、世の中全体のデータリテラシー向上、データ活用人材の増加に貢献できればと思う毎日です。

コラム担当スタッフ

菅 由紀子

株式会社Rejoui
代表取締役

株式会社サイバーエージェント、株式会社ALBERTを経て、2016年に株式会社Rejouiを設立。DX推進支援、データ分析・利活用コンサルティング、データサイエンス教育事業などを展開。
統計ソフトRやPythonを活用した分析入門講座をはじめ、学生、企業、官公庁へ向けた統計・データサイエンス学習講座を提供。日本行動計量学会、WiDS TOKYO @ YCU、日本RNAi研究会等、数々の学会およびシンポジウムに登壇。自身がアンバサダーを務める人材育成の活動(WiDS HIROSHIMA)が評価を受け、2021年度日本統計学会統計教育賞受賞。

一つ前のページに戻る

a2i セミナー風景イメージ

あなたも参加しませんか?

「アナリティクス アソシエーション」は、アナリティクスに取り組む皆さまの活躍をサポートします。会員登録いただいた方には、セミナー・イベント情報や業界の関連ニュースをいち早くお届けしています。

セミナー・イベント予定

予定一覧へ

コラムバックナンバー

  • 【コラム】注目される統計的因果推論

    株式会社Rejoui 菅 由紀子
    発信元:メールマガジン2021年10月20日号より

    先日発表されたノーベル経済学賞の受賞者、デービッド・カード、ヨシュア・アングリスト、グイド・インベンスの3氏は「自然実験が知識の源泉となるこ …

  • 【コラム】計測できるものだけで都合良く評価していないか?

    株式会社真摯 いちしま 泰樹
    発信元:メールマガジン2021年10月13日号より

    ■「測定できなければ管理できないというのは間違いで、代償の大きい誤解だ」 誤って引用されるフレーズに「測定できなければ管理できない」というも …

  • 【コラム】ABテストの科学

    Option合同会社 柳井 隆道
    発信元:メールマガジン2021年10月6日号より

    ABテストをするとき 「施策AとBを比較した結果、施策AのほうがCVR(目的の指標)が高いので優れていると判断した」 そこで思考が終わってい …

バックナンバー一覧へ