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「億劫だがやらなければならない」ことのひとつに「統計解析・機械学習およびデータ集計を行うためのプログラミング言語」を挙げられる方は多いのではないでしょうか。

データ分析を行う者にとって、データ処理・加工・集計のスキルは不可欠です。分析結果から得られた示唆の根拠を示す際に、どのような粒度のデータが、どの単位・条件のもと加工・集計・分析されたのかをきちんと説明できなければ、どんな結論も価値はありません。

現在は様々な集計・分析・可視化ツールがあり、多くのビジネスパーソンがExcelやTableau、Google アナリティクスなどを組み合わせ、日々定型レポートを分析されていると思います。そこから得られた示唆から新たなる仮説を立て、さらなる深掘り分析を行うために多変量解析や機械学習の手法を使いたい、あるいは既存のツールでは処理がしきれないほどパターンが煩雑であったり、膨大なデータ量に対応するため、R、Python、そしてSQLなど、何らかのデータ処理、統計解析プログラミング言語を確りと学ばなければと思う方は少なくないでしょう。今回は私自身や周囲の体験を通じて得たお勧めの学習方法を説明してみたいと思います。それは「入門書を写経する」という方法です。手順は以下のとおりです。

1. 入門書の手順通りに入門書のファイルで実行する
たとえばRを学ぼうと思った際、多くの方々がRのインストール方法や入門サイトを検索し、環境設定をしてデータを読み込ませるということを試されると思います。そして、多くの情報をWebサイトから得ようとされるでしょう。また「その時点で必要な処理や手法」の実行方法を得ようとされる方が多いと思います。しかし私は入門の「書籍」を手元に置き、環境設定から書に従って設定していく方法をお勧めします。

プログラミングやエンジニアリングの経験がない方がつまづきやすいのは、まず初めの環境設定です。また、次に多いのが「データがうまくインポートできない」「思うような集計ができない」課題です。環境設定ができたので「自分が処理したいと思っている手元のデータ」をいきなり読み込ませてうまくいかないというのは、RやPythonの集合学習の場面でよく目にします。これは、学習用のコードに対しインポートするデータの条件が合っていないことが理由のほとんどです。

入門書は環境設定やエラー時の対処にも言及があります。コードのパラメータにも意味合いが解説してあるものも多いです。基本的な関数は冒頭段階で色々と出てくると思いますが、これらを組み合わせるだけでも様々な処理を行うことができます。かんたんな計算式やデータのインポート、集計処理は書籍通りに実行し、それらをマスターしてから次の段階に移行します。

2.「写経」で実践する
書籍を用いる最も大きな理由はこの「写経」にあります。
WEBで検索し、実行環境にコピペして学習することも悪くはありませんが、コードは自分自身でキーボードで打ち込むことが大切です。そうすることによって「1文字違えただけで実行ができない」ことが起こりえますが、このことが反対にコードの表記を見直すきっかけとなります。データのなかから特徴を見出すときと少し似た感覚でもありますが、コードを「打ち込む」ことで、手を動かし脳が刺激され、そのコードの意味を考え、頭に入れながら学習することができるのです。写経を何度か終えた後の段階では、どこを変えれば自身が処理したいファイルを読み込ませることができるのか、変更するパラメータがどこなのかが理解できていると思います。

3. 手元のデータでやってみる
ここで初めて、自身が処理したいデータを読み込ませる段階にやってきます。写経を繰り返していれば、変更するべきポイントも見込みがつくはずです。このときも「一気にすべての処理を行う」ことは避け、処理工程をいくつかの段階に分けて実行をしていくのがおすすめです。実行時につまづくポイントを特定でき、データのどこがおかしいのかに気づくことが出来るようになるはずです。

最近よく訊ねられるのが「RとPythonどちらが良いのですか?」「SQLの勉強は必須ですか?」といった質問です。これらについては次回私見を述べてみたいと思います。

コラム担当スタッフ

菅 由紀子

株式会社Rejoui
代表取締役

2004年株式会社サイバーエージェント入社。2006年3月に株式会社ALBERTに転じ、データ分析業務を担当。顧客行動分析やDMP構築アドバイザリー等多数のプロジェクトを担当。
2016年9月にHR&Learning 分野専門の分析会社 Rejouiを設立。
アナリティクスアソシエーションプログラム委員、データサイエンティスト協会スキル委員。
株式会社Rejoui 代表取締役をつとめながら関西学院大学大学院ビジネススクールの非常勤講師としても活躍中。

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