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Webやデジタルの領域で、無料や少額からサービスを利用できることが増えました。広告や計測や情報提供など、非常に楽で便利に使え、標準の利用で高度に最適化されていることも多いです。

そのサービスの仕組み自体は拡張し複雑になっていたりするのですが、利用する側はシンプルなモードで利用できます。何かよくわからない込み入った内容だけれども、機能をオンにすればサービス側がよろしくやってくれる、そんな感じです(もちろん扱いの難しいサービスもありますし、仕組みを理解せずに利用できることの良し悪しもありますが、横に置きます)。

単一のサービスを利用しているうちはまだ良いのです。半自動的なセルフサーブで、あとはサービスがうまく立ち回ってくれます。困ったことが起き始めるのは、そういったサービスを複数利用したり連携し始めたりするときです。

一つ一つのサービスは、いわば生態系が高度に発達した状態です。それらを複数利用すれば、注意すべき点やNGなことが増えてきます。「連携すれば便利」と言われて連携したものの、メリットもあればデメリットもあり、理解が浅ければミスをしていても気がつきません。

もちろんしっかり向き合って勉強すれば、サービスの活用も連携もできるでしょう。しかしそのサービスの利用そのものが本業ではない多くの人にとっては、連携や仕組みとそのメリット・デメリットを理解することは、なかなかハードルが高いです。

Googleのサービスで説明すると、わかりやすいでしょうか。

・Google広告
・Googleアナリティクス
・Google Search Console
・Googleタグマネージャ
・Googleマイビジネス、などなど

一つのサービスなら、まだ向き合えるかも知れません。しかし、これを複数かつ連携して利用するとなると、デジタルマーケティングの細かな知識をそろえる必要があります。機能も情報もどんどん更新されます。それぞれ単一のサービスでも専門家がいますから、簡単なことではありません。

どうすればいいのでしょう? 自分たちのビジネスをより良く回すためにそのようなセルフサーブ型のサービスを活用する場合、向き合って勉強するしかないのでしょうか。

以前、かつて同じ会社(いわゆるWeb業界)に勤めていた知人から相談を受けました。Google広告とGoogleアナリティクスを連携しつつ適切に計測するには、結局どうするのが良いのか、Googleタグマネージャを利用する方が良いのか、というものでした。かつてWeb業界の最前線にいた知人でも、どれがふさわしいのかわからないし、今後他のメンバーへの引き継ぎで教えられる自信もない、ほらCookieとかいまややこしいんでしょ、と言います。

簡単そうに見えて難しい永遠の問題です。セルフサーブ型サービスを利用するときの宿命かもしれません。勉強するか、頼れる誰かを見つけるか、外部に任せるか。

本質的には勉強すべきなのでしょうが、時代もサービスも変化のスピードがとても速いです。1~2年前の知識が古くなります。運用する側がいまどれぐらいの知識を持ち今後どれぐらい向き合うかによっても、まったく違う答えにもなります。私が良かれと思って案内したものが、場合によってはプロジェクト内のブラックボックスにもなり得ます。

サービスを利用する以上、向き合っていくばくかの勉強は必要でしょう。大事なのは、頼れる誰かを見つけておくと相談ができるということ。ミスは減らせ、大正解でなくともより良い方向には進められます。誰も向き合う余裕がなければ、外部に任せるという選択肢になるのでしょう。

いずれも、だまそうとしない信頼できるパートナーを見つけるという難しい課題があるのですが。

コラム担当スタッフ

いちしま 泰樹

株式会社真摯
代表取締役
真摯のブログ

外食チェーンストア、百貨店、Web制作会社(株式会社TAM、デジパ株式会社)、インターネット広告代理店(株式会社アイレップ)を経て独立。2010年にCinciを設立し、のち株式会社真摯として法人化。

マーケティング視点と分析データの根拠を元に、クライアントのデジタル領域のビジネス改善を支援している。a2iセミナー編成委員会。

著書に『Google アナリティクス 実践Webサイト分析入門』(インプレス)。

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