コラムバックナンバー
株式会社真摯 いちしま 泰樹
発信元:メールマガジン2019年3月27日号より
サイトを分析する際、前提も基準もなく「計測データの分析だけ」で評価、判断するのは非常に難しいものです。「月間ユニークユーザー数10万人は良いのか悪いのか」「CVR 1%は良いのか悪いのか」など、数字の提示だけでは困ってしまいます。計測されたデータを評価するには、まずは基準が必要です。
では、基準とは何でしょうか。
ゴールや仮説、シナリオ、ファネルなどが挙げられます。「ファネルは古い、いまはフライホイールだ」というのならそれでも構いません。例えばこういうものです。
—
想定しているターゲット層に、シナリオのこのステップまで、これぐらい来てほしい。
そしてその次のステップに、これぐらいの数は進んでほしい。
—
「誰に」「何を」「期待しているのか」という、整理すればとてもシンプルな内容です。これが期待するシナリオであれば、決めなければいけないことがあります。定義です。
・「ターゲット層」はどういうユーザーか
・「まず来てほしいステップ」とはどういう行動やコンテンツか
・「どれぐらい」来てほしいのか
・「次に進んでほしいステップ」とはどういう行動やアクションか
・「どれぐらい」進んでほしいのか
このように、「ターゲット層」「求める行動」「期待する数字」を定義する必要があります。定義をして初めて基準ができ、「来てほしかったユーザーが訪問している」「行動をしたのは何%である」「期待した数字に対して云々」という評価ができます。必要なデータが計測されていなければ、改めて取得する必要も出てきます。
その定義をしませんか。どこかのタイミングで、必ず。
昔は「Planから始めるべし」という風潮があったように思います。ただ最近は、改善サイクルを「計画」「定義」のフェーズから必ずしも始めないケースもある印象です。
例えば、「PDCAではなく、順番を入れ替えてCAPDで」というものや、状況に応じた意思決定の「OODAループ」などです。状況把握や情報収集から取り組み始めて、改善サイクルを回しやすくしようという意図と捉えています。
とはいえ、必ずどこかで評価や価値判断が求められます。その前には計画や定義のフェーズが必要です。改善サイクルは組織やビジネスに合ったもので良いと思いますが、「誰に何を期待しているのか」の定義を、必ずどこかのタイミングでしましょう。
外食チェーンストア、百貨店、Web制作会社(株式会社TAM、デジパ株式会社)、インターネット広告代理店(株式会社アイレップ)を経て独立。2010年にCinciを設立し、のち株式会社真摯として法人化。
マーケティング視点と分析データの根拠を元に、クライアントのデジタル領域のビジネス改善を支援している。a2iセミナー編成委員会。
著書に『Google アナリティクス 実践Webサイト分析入門』(インプレス)。
2025/06/12(木)
【a2i交流会2025】デジタルマーケター大集合!a2i 5年ぶりの交流会|2025/6/12(木)
a2iの交流会が5年ぶりに帰ってきました! ライトニングトーク「私と生成AI」には、小川卓氏(HAPPY ANALYTICS)、川手遼一氏( …
2025/05/22(木)
オンラインセミナー「生成AI活用、マーケ現場の実践と組織導入のリアル」|2025/5/22(木)
生成AIはマーケターの働き方や組織のあり方を大きく変えつつあります。特に、最先端テクノロジーに日常的に触れるデジタル広告運用の現場では、生成 …
2025/04/16(水)
オンラインセミナー「【GA4&GTM完全攻略】それ計測したかった!を叶えよう」|2025/4/16(水)
GA4とGTMの正しい設定方法を基礎から実践まで徹底解説します。 GA4導入時に押さえておくべきポイントや、イベント設定・カスタムディメンシ …
【コラム】Google AI OverviewでGoogleの検索体験はより快適になる?
アナリティクスアソシエーション 大内 範行日本でも、Googleの検索エンジンで、AI Overviewの表示が増えてきました。 AI Overviewが表示された検索クエリで、クリ …
少し前の話になりますが、2025年2月に「Google 広告 P-MAX 解体新書 ~究極の自動化とデータドリブンアトリビューション~」とい …
【コラム】SEOの辻正浩さんにインタビューしたらその使命感に圧倒された
アナリティクスアソシエーション 大内 範行アナリティクスアソシエーションでは、不定期に話題になったこと、人についてインタビューを行っていきます。第二回は、SEOの第一人者 Faber …