コラムバックナンバー
株式会社Rejoui 菅 由紀子
発信元:メールマガジン2019年1月30日号より
データ分析のプロジェクトにおいてはいくつかの工程があり、本来は分析者がプロジェクトを通貫して対処します。分析プロジェクト完了後の業務やシステムへの組み込み方法の確認、分析目的の整理、収集データの検討、データ収集、集計、分析、と工程は進んでいきます。工程が進むに連れ、複数名で行なっているプロジェクトの場合は分担しての進行が想定されますが、分析者が初めの目的整理や収集データを決める役割を担うということは、価値あるアウトプットをしていく上で非常に重要であり、不可欠なことです。
しかしビジネスの現場においては、その目的整理や収集が分析そのものを進める人間以外で行われ、データのみが分析者に渡ってくるというケースも少なくありません。可能であれば目的の設定から携わりたいところですが、こういった場合、分析に際し私自身が留意していることを挙げてみたいと思います。
分析の設計者にコンタクトができる場合
設定された仮説やデータの選定背景、取得背景を念入りにヒアリングし、認識合わせをさせていただくようにしています。特にどの粒度でデータを取得されたか、取得されている最小単位が何であるかを伺っています。データの粒度が細かい場合においては様々な突合や加工が可能ですので、この点は非常にセンシティブに伺うようにしています。
分析の設計者にコンタクトができない場合
この場合は、かなりの制約を強いられることになりますが、依頼元と分析者の役割分担を明確にすることがもっとも重要です。分析者には、データを元にし価値有る答え、示唆を提示することが求められますが、分析の設計意図、データの収集背景が明確に把握できない場合、その期待に対してかなりの制約がある状況となります。その状況をご理解いただき、分析者の果たすべき役割が何であるかの認識を一致させてプロジェクトに入り、折に触れその認識を確認することが望ましいと思います。
データの利活用や分析の必要性が広く認識されるようになったことは、たいへん喜ばしいのですが「分析者に(とにかく何らかの)データを渡せば何か価値の有る示唆が得られる」という誤解をされている方が多いのも事実です。また、空前の人手不足といわれるなか、分析者・データサイエンティストが本来とるべき工程を取れないという場合が増えているように感じることが多くなりました。そのような場合に分析者がとるべき姿勢もさることながら、発注側・依頼側が把握しておくべきことというのも多いように感じます。それらについては別途、お話ししてみたいと思います。
2004年株式会社サイバーエージェント入社。2006年3月に株式会社ALBERTに転じ、データ分析業務を担当。顧客行動分析やDMP構築アドバイザリー等多数のプロジェクトを担当。
2016年9月にHR&Learning 分野専門の分析会社 Rejouiを設立。
アナリティクスアソシエーションプログラム委員、データサイエンティスト協会スキル委員。
株式会社Rejoui 代表取締役をつとめながら関西学院大学大学院ビジネススクールの非常勤講師としても活躍中。
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