コラムバックナンバー

起業して2年が経ちました。

人事・HR、教育領域のデータの利活用を行いたいと思い起業しましたが、この2年でHR領域だけでなくデータサイエンスの領域には様々な変化が起きていると実感しています。今回は、この2年間で私自身が感じた顕著な変化について挙げてみたいと思います。

◆専門職以外の方の分析スキル学習ニーズ
統計・データサイエンスのスキルの獲得をしたいというニーズがデータサイエティストやアナリストを目指す方ではなく、他領域の実務家の方から増えました。ビジネスパーソンの「当たり前」のスキルとして、統計の基本的なことを学びたい、あるいはそれをベースに実務に活かせる分析手法を学びたいといった要望が多いです。データサイエンティストや分析者は引き続き人材不足の状況ですが、専門職以外の方が学ばれるのは人手不足の解消にもつながるだけでなく、分析者が仕事する相手方・依頼元の理解が深まることになりますので、同じ言葉で会話ができ、分析プロジェクトが進めやすくなります。専門職以外の方が統計・データサイエンスを学ばれることは、双方にとってハッピーで非常に喜ばしいことではないでしょうか。

◆データ取得方法、管理方法についての相談
これは私が現在行っているHR領域での話ですが、分析をする・しないに関わらず「いずれ分析に活用できるデータ」を整理して取得しておくことがいかに重要であるかということが人事部門、経営者に浸透してきたように感じます。HRでのデータ利活用事例がいくつか出てきたことが、これを後押ししているようです。このような意識が浸透し、どのデータをどのような形で保持しておく必要があるか、課題解決のために未だ取得できていないデータがある場合は、どのように取得すればよいかというご相談が多くなりました。様々なシーンでデータを活用していこうという気運は今後しばらく続き、いずれは当然という時代になってくることでしょう。

◆分析プロセスの見直し
自社に分析者がおり、チームで分析プロジェクトを実行しているが、うまくいっていない/示唆が得られないので相談に乗って欲しいという相談も多くいただきます。お引き受けしてプロジェクトに関わらせていただくと、課題設定から分析のアプローチ、データの収集、分析~結果の解釈までプロセスの見直しを行うことがほとんどです。その場合にデータサイエンティスト協会とIPAで整理したデータ分析業務の一連のタスクリストが非常に役に立っています。

ITSS+ データサイエンス領域 タスクリスト

以前もこちらのコラムで紹介しておりますが、ぜひ分析者やデータの利活用に関わる方たちには今一度意識をしていただければと思います。

これら以外にも多くの変化が起きています。それらについては今後も定期的に触れていきたいと思います。

コラム担当スタッフ

菅 由紀子

株式会社Rejoui
代表取締役

株式会社サイバーエージェント、株式会社ALBERTを経て、2016年に株式会社Rejouiを設立。DX推進支援、データ分析・利活用コンサルティング、データサイエンス教育事業などを展開。
統計ソフトRやPythonを活用した分析入門講座をはじめ、学生、企業、官公庁へ向けた統計・データサイエンス学習講座を提供。日本行動計量学会、WiDS TOKYO @ YCU、日本RNAi研究会等、数々の学会およびシンポジウムに登壇。自身がアンバサダーを務める人材育成の活動(WiDS HIROSHIMA)が評価を受け、2021年度日本統計学会統計教育賞受賞。

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