コラムバックナンバー
株式会社真摯 いちしま 泰樹
メールマガジン2017年10月18日号より 真摯 いちしま泰樹
2017年10月12日にアナリティクスアソシエーションが開催した特別セミナー「Google アナリティクス アドバンスド」に、スタッフとして参加しておりました。どれも多岐に渡る領域の話でしたが、その中でもサイバーエージェントの須磨守一氏の講演が興味深く感じました。以前に講演された際の資料やインタビュー記事をいくつか拝見していたので、改めて詳細にお伺いできた内容でした。ああなるほどと頷いたところの一つが、KPI設計の際に事業視点の指標だけでユーザー視点が抜けていたり、途中で取得すべきデータやその形式が変更になったりという失敗を経て、レポートのプロトタイプを作ってからデータ取得の実装設計に至ったというくだりです。
分析するときもそうですが、KPI設計でも試行錯誤が必要です。私はKPIに関しては運用しながら修正や追加をしていってもよいのではと思っていましたが、プロトタイプやモックを準備するという点にはちょっとハッとしました。知っていたようで気付いておらず、そういえばそのとおりに感じます。
KPI運用している中で、こういうデータも必要ですねというフィードバックからデータソースの定義変更にまでさかのぼることがあり、その過程では各所との議論や調整が必要です。当然、データの取得方法やレポートフォーマットへの影響もあります。運用しながら修正や追加で対応するには、思う以上に大きな負荷です。あらかじめプロトタイプを使って関係メンバーとの合意形成を経ていれば、その負荷は軽減できます。
数日後、セミナー内容を咀嚼していたとき、大阪ガスの河本薫氏の書籍『会社を変える分析の力』を思い出しました。河本氏は、2014年のアナリティクスサミットでも基調講演をいただいています。
河本氏は、データ分析でビジネスを変えるには「見つける力」「解く力」「使わせる力」の3つが必要で、それを一気通貫で取り組むことが重要とおっしゃっています。特にその「使わせる力」という現場メンバーに活用してもらうフェーズでも、試行錯誤は繰り返されるはずです。壁を乗り越える鍵の一つはプロトタイプでしょう。書籍の中でも、エクセルで簡易なツールを準備して現場メンバーに試用してもらい価値を理解してもらったというくだりがあります。プロトタイプがあれば、議論や調整も進めやすくなります。
KPIの運用は、いったん確定した後でも、どうしてもビジネスのフェーズが進む課程で変更や追加が生じます。その際でも、プロトタイプを使って調整していけば、試行錯誤の負荷も小さくできるでしょう。
良い発見でした。
外食チェーンストア、百貨店、Web制作会社(株式会社TAM、デジパ株式会社)、インターネット広告代理店(株式会社アイレップ)を経て独立。2010年にCinciを設立し、のち株式会社真摯として法人化。
マーケティング視点と分析データの根拠を元に、クライアントのデジタル領域のビジネス改善を支援している。a2iセミナー編成委員会。
著書に『Google アナリティクス 実践Webサイト分析入門』(インプレス)。
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