コラムバックナンバー
株式会社Rejoui 菅 由紀子
メールマガジン2017年9月20日号より Rejoui 菅 由紀子
昨年6月に「HRテクノロジー社会とアナリティクス」というタイトルでコラムを寄稿致しました。当時、HR領域でのデータ活用で起業すると決めていたこともあり、このような内容のコラムを書いたのですが、その後昨年9月には内閣官房に「働き方改革実現推進室」が設置され、「働き方改革」という言葉も認知度を高めていると感じます。取組内容については是非はありますが(近日ではサイボウズ社による「働き方改革に関するお詫び」など、たいへん話題になりました)働き方、特に多様性についての議論が活発になったことは、たいへん良いことだと感じています。
こういった世の中の流れもあってHR領域におけるデータ活用の機運もますます盛り上がっておりますが、私もちょうど起業して1年を迎え、この領域にある課題も見えて来ましたので、本日はそれについてお話ししてみたいと思います。
HR tech / HRテクノロジーについては過去のコラムをご覧ください
「HRテクノロジー社会とアナリティクス」
HR領域におけるデータ活用で経営者や人事担当者が解決したい課題は多岐に渡り、担当者の職務領域によっても様々ですが、要望として特に多いのは下記のようなものです。
– 優秀な人材を獲得したい
– 成果のあがる組織編成をしたい
– メンタルヘルスの罹患や退職リスクのある人を事前に把握したい
– スタッフの不正を検知したい
組織として成果をあげるためのものと、組織としてのリスクを防ぐということに大別されます。私自身も現在こういった企業の取組をお手伝いしておりますが、やり始めて実感としてあるのは、統合管理され、体系化されたデータを得ている企業はまだまだ少ない、ということです。分析の前にまだまだやるべきことがあるのではないか、というのが多くの企業に共通しています。
企業側のデータ活用がどの段階にあるかを整理すると下記のようになります。
1. 目標管理や勤怠管理システム、ツールの導入がされているか
2. 分析に耐えうるデータが継続して取得できているか
3. データや分析結果が可視化され日々確認できているか
4. 分析結果の活用、アクションが行えているかどうか
5. 人事領域でのデータ活用、PDCAサイクルが実行できているか
多いのは1.~2. の段階で、ツールでデータが取得できているので分析をやってみたいというニーズです。ところがそれを見てみると分析目的には即していないデータだったり、他のデータと突合できないために、取得からやりなおしというケースも多く存在しています。もともとそういった活用を前提としないでツールを導入しているために起こるのは、マーケティングにおけるデータ活用、ツール活用と似たところがあると思っています。
これの根底にある原因の一つが、人事担当者のITリテラシーではないかと言われています。米国では「すべての人事部門のリーダーはテクノロジーリーダーであるべき」と語られているほど、ITリテラシーは重視されています。日本はまだまだであると思いますが、エンジニアが人事部長になるという企業も出てきています。こういった企業と、そうでない企業の二極化が今後は起こるのではないかと思います。半年ほど前のものですが、そういった議論が行われたイベントもたいへん活況でしたのでご紹介しておきます。
エンジニアが人事部長になってやったこと
次回はHR領域のデータ解析について、少し詳細なお話をしたいと思います。
株式会社サイバーエージェント、株式会社ALBERTを経て、2016年に株式会社Rejouiを設立。DX推進支援、データ分析・利活用コンサルティング、データサイエンス教育事業などを展開。
統計ソフトRやPythonを活用した分析入門講座をはじめ、学生、企業、官公庁へ向けた統計・データサイエンス学習講座を提供。日本行動計量学会、WiDS TOKYO @ YCU、日本RNAi研究会等、数々の学会およびシンポジウムに登壇。自身がアンバサダーを務める人材育成の活動(WiDS HIROSHIMA)が評価を受け、2021年度日本統計学会統計教育賞受賞。
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