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一昨年ほど前からAI、人工知能という言葉が様々なところでとりざたされていますが、あわせて「◯◯Tech(テック)」というワードを多く耳にするようになりました。Fintech、Edtech、HRtechなどがその代表例ですが、「リーガルテック(Legal Tech)」の領域もこれからますます注目度が高まる分野であると思います。リーガルテックとは、法律全般に関するテクノロジーのことをいいます。各種行政手続きの効率化や、企業の法務事務の自動化、訴訟や判例情報・知財情報の活用など多岐に渡ります。

日本における「リーガルテック」は弁護士、公認会計士、税理士、司法書士などいわゆる「士業」の方たちにクラウドを介して業務を依頼できる、といったものが現在は隆盛であるように感じますが、この領域で期待されているのはまさに人工知能関連の技術の活用です。それは士業等の専門家が判断していたことを機械がある程度行うようになる、という技術です。

今や「機械が判断すること」「自動化すること」がなんでも人工知能(あるいはその関連技術)であるように誤解されていると思いますが、「人間ではとうていできない大量のデータを学習し、判断する、あるいは人間が判断するための示唆を与える」というのは人工知能関連技術の中でも特に昨今人気の機械学習が得意とする領域です。

裁判などの判例、各種の法律と知財情報を学習させ、契約書の問題点を指摘したり、新たなビジネスを検討する際に周辺のリスクを事前に示すということなども可能であると思います。専門家はそれらの結果を受けて意思決定をする、というのが今後訪れる世界なのかもしれません。

Fintechなど他のテクノロジー領域と比較すると、学習用のデータの解析には画像認識や自然言語処理の高度な技術が必要になると思います。紙で保管されていた情報のデータ化と、その先にあるのが文章の解析であるためです。

これからの社会は「機械が判断することを受けていかに意思決定できるか」が求められる社会です。そのために必要なスキルを磨いて行くことが今後のビジネスパーソンに求められることではないでしょうか。

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コラム担当スタッフ

菅 由紀子

株式会社Rejoui
代表取締役

株式会社サイバーエージェント、株式会社ALBERTを経て、2016年に株式会社Rejouiを設立。DX推進支援、データ分析・利活用コンサルティング、データサイエンス教育事業などを展開。
統計ソフトRやPythonを活用した分析入門講座をはじめ、学生、企業、官公庁へ向けた統計・データサイエンス学習講座を提供。日本行動計量学会、WiDS TOKYO @ YCU、日本RNAi研究会等、数々の学会およびシンポジウムに登壇。自身がアンバサダーを務める人材育成の活動(WiDS HIROSHIMA)が評価を受け、2021年度日本統計学会統計教育賞受賞。

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