コラムバックナンバー
株式会社真摯 いちしま 泰樹
発信元:メールマガジン2023年2月1日号より
ベストプラクティスやノウハウは、標準化したりアウトプットにまとめられたりすると徐々に陳腐化していきます。「自社独自のノウハウ」として同じ手法を何年も使い続けているのであれば、アップデートや見直しが必要です。
わかりやすい例を挙げると、例えばキャンペーン向けランディングページにはある程度の王道の構成があります。検索すれば多くの例が紹介されていますし、それこそ話題のChatGPTなどのテキスト生成AIで呼び出せばそれらしきパターンを提示してくれるでしょう。
ゼロイチで取り組むよりも即座に一定の成果を上げやすいものですが、皆同じフォーマットを利用するようになれば横並びになり、結局はその製品やサービス、内容の質が問われるようになります。それが本質の一つとはいえ、仮にこれが自社独自のベストプラクティスであれば手法としての新たな要素が求められる例です。
施策でも手法でもちょっとしたティップスでも、ベストプラクティスは形成されるものです。しかしいずれそのオルタナティブが生まれ、カウンターが生まれ、環境は変わり、王道は王道として存在すれどもアップデートを求められるようになります。ベストプラクティスはアップデートを伴う運用とセットです。効果的という認識で利用している手法やテンプレートやマニュアルは、いつから利用しているものなのか、最後に更新されたのはいつなのかを定期的に確認すると良いでしょう。
社外に公開する情報もあります。ベストプラクティスやノウハウとしてセミナーやブログで公開したり、ダウンロード資料で配付するケースも増えました。情報を元に実行に移す人の割合は一般的には大きくありませんが、真似しやすい内容であれば当初はユニークな存在でも徐々に一般的な存在になります。競合も手法を真似るでしょう。社内的には配布したタイミングでの内容のアップデートが必要です。世の中に流通させたベストプラクティスは自社にとっては過去の産物であるべきです。そのトピックスでは世の中から一歩先を進んでいなければいけません。
ベストプラクティスは常に見直しの日々です。「3年前から変わらぬベストプラクティス」は自慢できるものでないかもしれません。どれだけ新鮮に保ち更新できるかが優れたベストプラクティスの条件だと思います。「このノウハウはどれぐらいの期間有効に機能するだろうか」を見積もりながら、アップデートを伴う運用とセットで扱いたいです。安住の地などないのです。
外食チェーンストア、百貨店、Web制作会社(株式会社TAM、デジパ株式会社)、インターネット広告代理店(株式会社アイレップ)を経て独立。2010年にCinciを設立し、のち株式会社真摯として法人化。
マーケティング視点と分析データの根拠を元に、クライアントのデジタル領域のビジネス改善を支援している。a2iセミナー編成委員会。
著書に『Google アナリティクス 実践Webサイト分析入門』(インプレス)。
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