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そろそろGA4の設定を見直しませんか?

あれ?この1年以内に導入したばかりと思われるかもしれません。もちろんすべてのWebサイトではないでしょうし、予算や工数の確保を考えれば非現実的な提案です。

しかし、ここで言いたいメッセージは「Webサイトやビジネスやツールの変化に伴ってアップデートさせよ(GA4も意外に大きく変化していますよ)」というものです。

実際にGA4を現状把握や分析で利用していて、不都合を感じることはないでしょうか。「追加で計測したいアクションや項目が出てきた」「レポートのUIを使っても思うようにデータを取り出せない」「数値が一致しない」「データが省略されているように感じる」「えっ、otherってどういうこと」など、私自身も解決や理解に時間がかかったり諦めたりしているものもあります。まだ本格的に利用していないために実際のところを把握されていない人も多いかもしれません。

自社で誰がどのようにGA4のデータを扱うのかにも左右されます。UIやLooker Studio(データポータル)経由で扱うのか、BigQuery経由で扱う前提なのかによっても違いますし、社内に柔軟に扱える人がいるか否かでも変わってきます。実装設定のベストプラクティスがさまざまな条件でバリエーション豊かにある、という感じです(しかもそれらがベストかどうかはなんとも……)。

厄介なのはグーグルが後出しで仕様を追加していることです。もちろん仕様は増えることはあれども減ることはありませんが、新たに提示された詳細な仕様によっては既に計測しているものに影響を及ぼすものがあります。

今年に入ってアップデートされた仕様の一部を挙げてみます。

  • page_location などの値の文字数上限
  • 有償版でのサブプロパティの登場
  • 1日あたりの固有の値が500個を超える高基数のディメンションは避けよ(上限を超えたデータは「(other)」に集約)
  • UTMパラメータの新たな種類の追加
  • 指標「アクティブユーザー」の定義の変更
  • 当初は無かった直帰率が従来の定義を変更して登場
  • 拡張計測機能に「フォームの操作」が追加

「1日500種を超える高基数ディメンションは避けよ」はなかなか大きな追加条件に感じました。計測実態や利用方法を考慮すれば、計測要件から外すという選択肢を選んだ方が良かったかもしれない案件があるのも本音です。

過去の自分の実装設定内容を振り返る機会があったとき、1~2年前の内容ですら修正変更したい箇所が出てくるものです。エンジニアが書くコードやコンサルタントの提案内容もきっと似た感じじゃないでしょうか。過去の考えからアップデートされているのは良いことです。しかし残念ながら企業のWebサイトの計測基盤は頻繁にはアップデートされません。1年以内に導入したGA4の見直しがされることはまず考えられません(予算としても工数確保としても)。

とはいえ、どのようなツールも一度設定すれば大丈夫というものは稀です。実情や変化に応じてアップデートは必要です。GA4は残念ながら一筋縄ではいかない扱いにくいツールです。仕様もわかったようでよくわからないところも多いです。浅い理解で導入を終えてしまったと感じるのなら、アップデートは早いに越したことはありません。

コラム担当スタッフ

いちしま 泰樹

株式会社真摯
代表取締役
真摯のブログ

外食チェーンストア、百貨店、Web制作会社(株式会社TAM、デジパ株式会社)、インターネット広告代理店(株式会社アイレップ)を経て独立。2010年にCinciを設立し、のち株式会社真摯として法人化。

マーケティング視点と分析データの根拠を元に、クライアントのデジタル領域のビジネス改善を支援している。a2iセミナー編成委員会。

著書に『Google アナリティクス 実践Webサイト分析入門』(インプレス)。

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