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「長い間、違和感や不調を認識していたけれども、それを特に課題と捉えずに状況把握も行っていなかった」というケースはまだあるのではないでしょうか。組織の中にいると「そういうものだ」と慣れてしまって外部からの指摘で気付かされる、という事象は流動性の少ない小規模な組織で起きやすい印象です。

と偉そうなことを書きながら、自分自身がその状態になっていた話です。

昨年秋に1週間ほどひどい頭痛に悩まされて通院していました。幸い大事には至らず片頭痛として処置していただいたのですが、毎月1回ほど起きる頭痛と体の不調は「これは片頭痛という病名の付いた頭痛だったのかもしれない」と思うようになります。そこからさらに「そういえば子どもの頃から雨の日は頭が痛かったなあ」ということに気付きます。

「あれ、ということは小さな頃から頭痛持ちだったのですか、私は」とそんなことも自覚していないことに驚くのですが、慣れとは恐ろしいものです。どうも子どもの頃から頭痛持ちのようでした。

先月、テレビで片頭痛を取り上げた健康番組をたまたま視聴しました。自分と近い症状が紹介され、処方された薬も同じもので少し安堵したりなど知らないことが多かったのですが、そこで「日本頭痛学会」が「頭痛ダイアリー」というツールを提供していることを知ります。

頭痛は要因となる変数が多種にわたります。そのために「頭痛は何月何日の何時頃、どんな症状でどれぐらい続いたか」「天気は」「そのときの体調は、食事は」「ストレスは」など細かな情報が必要になります。記録しない限り、これらを関連付けて後から思い出すのは不可能です。ビジネスでの施策運用と状況把握に似ています。

複数の種類がある薬も人によって相性があります。薬Aを服用して一定期間の自身の様子や外的要素を記録し、もし効果が小さければ薬Bに切り替えて同じように経過を記録、という手順でふさわしい薬を探っていくそうです。こちらはA/Bテストに少し似ています。

「頭痛ダイアリー」では、もしかするとネガティブな記録が中心になりがちという負の側面も少しあるかもしれません。気圧と合わせて健康状態を記録するサービスだったり、ウェアラブル端末やスマートウォッチで健康状態を記録できるものなど、他の類似するデジタルサービスを使っても良さそうです。

基礎的なデータを蓄積することの大切さ。体重や体脂肪率などは毎日記録していますが、長く違和感のあった頭痛に関してどうして何も記録していなかったのだろうと自分でも不思議です。

もちろん記録しにくい(計測しにくい)情報も多いのですが、それでも基礎的な情報把握は重要だなあと、このような仕事をしていながら思った次第。

体調でもビジネスでも、不調なときは状況を記録として残すことですね。

コラム担当スタッフ

いちしま 泰樹

株式会社真摯
代表取締役
真摯のブログ

外食チェーンストア、百貨店、Web制作会社(株式会社TAM、デジパ株式会社)、インターネット広告代理店(株式会社アイレップ)を経て独立。2010年にCinciを設立し、のち株式会社真摯として法人化。

マーケティング視点と分析データの根拠を元に、クライアントのデジタル領域のビジネス改善を支援している。a2iセミナー編成委員会。

著書に『Google アナリティクス 実践Webサイト分析入門』(インプレス)。

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