コラムバックナンバー

2021年は前提の変化と定義の見直しが徐々に本格的に始まった年だったのだろうと感じます。

・ブラウザーによるCookie制限の影響
・ユーザーのCookie同意ステータスに基づく計測
・それらに伴う計測ツールや広告プラットフォームの変化や刷新、データの解釈の変化

本格的に動き始めたところもあれば、そろそろ向き合わないとと思い始めたところ、まだ漠然と影響に振り回されているところもあるはずです。広告周りは2020年からブラウザーのCookie制限の影響が顕著でしたが、アナリティクス周辺はGoogle アナリティクス 4(GA4)が真顔になり始めた頃からになるのでしょうか。従来と異なる計測プラットフォームを導入したり、データの解釈で評価を調整しているところもあるでしょう。

これからは全量データの取得が前提ではなくなりつつあります。加えて計測ツールも刷新されればデータの連続性も途切れます。新しい計測ツールの仕様に合わせて追うべき指標の再設計が必要になったり、ターゲティングの視点も変わったり、機械学習でよろしく処理されるデータをどこまで信頼するかという疑念も出てきます。冷静に見れば、2010年前後からのスマートフォンの普及、2015年前後のスマートフォンアプリ活性化と同じ位かそれ以上のインターネット史におけるインパクトのようにも感じます。

企業はどう向き合っていけばいいのでしょうか。

実際には予算の大きさや技術力による差が大きく出るでしょう。予算も技術もうまく取り回せるところはアドバンスな取り組みを強力に推し進めれば良いと思います。

では予算もリソースも限られた企業はどう向き合えば良いでしょうか。プラットフォームを信じ、そのコンセプトや仕様に自らの運用をできるだけ合わせていくのが現実的に感じます。手段は限られています。仮に従来との連続性が途切れたとしても、新しい機能でプラットフォームがうまく処理してくれるものがあればそれを利用し、新しいツールの新しい指標が活用できそうであれば取り入れ、機械学習で提示されたデータはまずは受け入れてみる。従来までの自社独自の指標や視点や手法は、代替が見つかれば良いのですが、新たなプラットフォームの仕様に沿って可能性を探る方が未来は開けそうです。

いずれにせよ、従来よりも多角的な視点が求められるでしょう。補完する複数の指標を把握したり異なるツールの類似するデータを並べたりして、限られたデータだけを盲目的に信じるのは避けるべきです。

あとは、良き人材や支援パートナーに恵まれるといいですね。

さて、いちしまは冬の休暇中にGA4のより良き導入設計を模索することにします。良い2022年を。

コラム担当スタッフ

いちしま 泰樹

株式会社真摯
代表取締役
真摯のブログ

外食チェーンストア、百貨店、Web制作会社(株式会社TAM、デジパ株式会社)、インターネット広告代理店(株式会社アイレップ)を経て独立。2010年にCinciを設立し、のち株式会社真摯として法人化。

マーケティング視点と分析データの根拠を元に、クライアントのデジタル領域のビジネス改善を支援している。a2iセミナー編成委員会。

著書に『Google アナリティクス 実践Webサイト分析入門』(インプレス)。

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