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消費者も企業も生活様式が変わり、少なくとも都市部では生活や仕事で「オンライン」の占める割合が大きくなりました。以前のような「外出して、人と会って」というスタイルも少しずつ戻りつつあるようですが、おそらく以前の生活様式のレベルに戻ることはないのでしょう。

皆さんのビジネスでは、企業とユーザーとのタッチポイント、接点は変わったでしょうか。数や質、コミュニケーションの取り方など、少なからず変化が起きているはずです。シナリオやカスタマージャーニーの見直し、コミュニケーションやアクションの見直しが必要です。

◆ユーザーの環境が変わり、外出が減った

自宅にてリモートで仕事をするケースが増え、中にはほぼリモート勤務という人もいらっしゃいます。外出も控えるようになり、遠出や旅行をする機会も減りました。私個人としても、仕事こそオフィスに出向いていますが、自宅から徒歩30分の距離の小さなオフィスで「リモート勤務」の状態です。外出や遠出も極端に減りました。

◆ユーザーのコミュニケーションが変わり、情報や感想の共有が減った

人と会う機会が減ったり、ランチや雑談といった「日常の何気ない会話」が限定的になったりしています。「こないだ行ったお店の話」「昨日のテレビの感想」「それ、どこで買ったの?」といった「情報や感想の共有」が減っているはずです。オンラインではミーティングもあり、カジュアルなコミュニケーションもSNSなどでありますが、日常会話から生まれたり得たりする総量は減った印象です。

◆企業とユーザーの接点、コミュニケーションが変わった

企業も従業員の環境が変わったのと同時に、ユーザー接点とそのコミュニケーションが変わりました。オフラインイベントは難しくなり、オンラインイベントは増えました。皆が外出を控えるようになったため、OOH(屋外広告)のみならず移動中に見かける媒体や移動時間に費やしていたコトが減りました。つまり、認知や興味関心を抱いてもらう関係性づくりが少し変わったはずです。接点後のメールなどによるコミュニケーションも、従前とは受け取る温度差が異なる場合もあります。

企業がユーザーを知る機会だった「現場」も変わっているケースもあります。店舗ビジネスでは現場で得られるものや声を聞く機会が減り、ショールーミングやウェブルーミングも減ったところが多いのではないでしょうか。

◆シナリオやカスタマージャーニーの見直しを

ここから数年~5年ぐらいかけて、緩やかに「新しい生活様式」は定着していくのかもしれません。企業が、ユーザーとの関係性づくりのシナリオを描いてそれを踏まえてビジネスアクションを展開しているのであれば、シナリオの見直しや修正は必要です。

「この状況は一過性のもので、また変化するだろう、様子を見よう」ではなく、変化を見据えて不確実性に適応しようとする体制を整えなければいけないと思うのです。この先、また揺り戻しや新たな変化は起こるでしょう。そのたびに「待て」を繰り返すのではなく、変化に向き合える適応力が企業の生命力を強くするのです。

コラム担当スタッフ

いちしま 泰樹

株式会社真摯
代表取締役
真摯のブログ

外食チェーンストア、百貨店、Web制作会社(株式会社TAM、デジパ株式会社)、インターネット広告代理店(株式会社アイレップ)を経て独立。2010年にCinciを設立し、のち株式会社真摯として法人化。

マーケティング視点と分析データの根拠を元に、クライアントのデジタル領域のビジネス改善を支援している。a2iセミナー編成委員会。

著書に『Google アナリティクス 実践Webサイト分析入門』(インプレス)。

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