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リモートワーク・在宅ワークが主体となり、分析結果報告をリモートで行われる方も多いと思います。私もその1人ですが、今回は非対面、リモート環境で私が工夫している「分析結果レポート」の作成方法について、私のTipsをお話ししたいと思います。

●フォントサイズとメッセージの見せ方 - フォントサイズはやや大きめに、強調を活用
プレゼン相手の環境にも依存しますが、フォントサイズは従来よりも10%程度大きめにしています。印刷したレポートや、会議室のモニター、プロジェクタで確認できた文字の大きさでは、自分では認識できても相手方では把握しづらいということが起こります。太字や枠線など、従来でもやっていた見せ方についても、強調の度合いを高めるよう心がけています。また、文章による説明は厳選し2行程度に留めるようになりました。セミナーのプレゼン黄金比でよく聞く20分のトーク、15枚のスライド、30ポイントの文字は良い(諸説あります)と聞きますが、それに倣って構成するようにしています。

●図表・グラフ - 面積を広めに、色数は抑えて説明を端的に「添える」
文章での説明を削ぎ落とすと、重要なのは図表・グラフです。できるだけ視覚だけで把握できるよう、グラフ内に考察を一言で書き込んだり、できるだけ「見ればわかる」資料に、「本質的な情報を濃度高く表す」よう工夫しています。「この1枚でいかに伝えるか」というこだわりのもと、伝えたいメッセージを的確に伝えるための図表・グラフを厳選した上で制作できるとベストです。主題に沿ったビジュアルを構成とともに考案する、というのはインフォグラフィックのアプローチと類似しています。インフォグラフィックの王道とされる表現方法は学んでおいて良かったと感じる毎日です。一方で、伝えたいことを強調するあまり、意図的な表現や恣意的なビジュアルとならないよう細心の注意を払いたいと思っています。幸い、皮肉なことに昨今はメディアでそういった「やってはいけない統計グラフ」が多く存在していますので、うまく反面教師にできると良いですね。

●分析結果レポートの全体構成 - 議論ポイントの明確化とブレイクの挿入
基本的にはこれまでの分析結果レポートの構成と同じですが、エグゼクティブ・サマリーもしくは「分析結果を経て打ち合わせで議論したいポイント」を冒頭および資料の末に同じものを繰り返して配置するようにしています。このことにより「見ればわかる」情報は打ち合わせ時には補足をする程度で、会議時はインタラクティブにやりとりし、ディスカッション、そして「考える」ことにフォーカスする事ができるようになります。これは分析結果レポートだけでなく、打ち合わせの本質かと思いますが、リモート環境下ではより意識付けが肝要です。あえて何度も見せることにより意識付けがしやすくなります。また、リモート環境においての受け取り手の集中力はリアルのそれよりも短く、トピックが変わるごとにそれがわかるようなアイコンや間仕切りとなるスライドを挿入しています。これも従来もおこなってきたことですが、より頻度を上げています。トピックや流れにもよりますが、ここもリモート環境における最適配置などが研究成果として出てくるようになるかもしれませんね。

コラム担当スタッフ

菅 由紀子

株式会社Rejoui
代表取締役

株式会社サイバーエージェント、株式会社ALBERTを経て、2016年に株式会社Rejouiを設立。DX推進支援、データ分析・利活用コンサルティング、データサイエンス教育事業などを展開。
統計ソフトRやPythonを活用した分析入門講座をはじめ、学生、企業、官公庁へ向けた統計・データサイエンス学習講座を提供。日本行動計量学会、WiDS TOKYO @ YCU、日本RNAi研究会等、数々の学会およびシンポジウムに登壇。自身がアンバサダーを務める人材育成の活動(WiDS HIROSHIMA)が評価を受け、2021年度日本統計学会統計教育賞受賞。

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