コラムバックナンバー
株式会社真摯 いちしま 泰樹
発信元:メールマガジン2019年11月20日号より
若い人たちや新しい人たちがこれから「分析+改善」の取り組みに向き合うとき、どうやって経験を積んでいけば良いのだろうか。あるきっかけでこの数か月ほど考えています。
「何事も経験だ」とやみくもにやっても非効率ですし、「分析手法を一から順に」というのもスピード感がなく退屈です。組織や事業にも左右されそうで、教科書的な正解はないのでしょう。
その中で、わりとオーソドックスな進め方が汎用的に使えそうだと思えてきました。少し紹介してみます。
0)仮説を立てる/視点を定める
1)多くの事実を集める
2)意味のある情報に要約する
3)解釈する
4)判断する/促す
元になっている考え方の一つが「空・雨・傘」と呼ばれるものです。「空が曇っている(事実)、雨が降りそうだ(解釈)、傘を持っていこう(判断)」という問題解決と意志決定のシンプルな考え方です。
個人的には普段の分析の現場でわざわざ意識することもなく、「ほれほれ、フレームワークですよ(コンサルっぽく)」という感じにも見えるので距離を置いていたのですが、こういった経験を積んでいくトレーニングでは有効のように感じます。
すぐに解釈せず、まずは事実を集めること。できるだけ複数の視点で集めること。
事実を集めたら、それを整理、要約すること。
解釈はそのあとで。事実の要約とは区別し、あなたはどう解釈したのかを挙げること。
それらを踏まえて、ではどうすれば良いのかを判断する、提案するという流れです。この最後の課程は、組織であれば分析者ではなく別の人による提示でも良いですよね。
元になっているもう一つの考え方が「データとインフォメーションとインテリジェンスの違い」です。「データ」は収集された情報、「インフォメーション」はデータからピックアップした意味のある情報、「インテリジェンス」はインフォメーションからピックアップして対象者ごとに最適な解釈で提示する情報、というものです。
この「データとインフォメーションとインテリジェンスの違い」は、「空・雨・傘」とリンクしているように思うのです。あるときふと「空(事実)から雨(解釈)の課程には、データ→インフォメーション→インテリジェンスの流れを含んでいるよね?」と気付きました。
・まずは事実(データ)を集めなさい
・それを要約しなさい(インフォメーション)
・解釈して対象者に適切に伝えなさい(インテリジェンス)
コンサルティングや提案の場面では、「ではどうしたらよいのか」の「傘」の提示を最終的に求められます。解釈からさらに踏み込むことになり、分析とは異なるアプローチで幅広い知見と経験が必要です。この「傘」の部分のトレーニングは別途考える必要がありますが、事実の収集から解釈までの課程は上記のようにステップを分ければ学びやすそうです。どうでしょうか?
外食チェーンストア、百貨店、Web制作会社(株式会社TAM、デジパ株式会社)、インターネット広告代理店(株式会社アイレップ)を経て独立。2010年にCinciを設立し、のち株式会社真摯として法人化。
マーケティング視点と分析データの根拠を元に、クライアントのデジタル領域のビジネス改善を支援している。a2iセミナー編成委員会。
著書に『Google アナリティクス 実践Webサイト分析入門』(インプレス)。
2026/07/15(水)
オンラインセミナー「はじめてのBigQuery生成AI分析 ― 費用と難しさへの不安を解消して、まず動かしてみよう」|2026/7/15(水)
「BigQueryでの分析が本命」とわかっていても、SQL、費用、設定の多さに身構えてしまう――そんな方に向けたセミナーです。 生成AIの進 …
2026/06/24(水)
オンラインセミナー「バイブコーディングで広告運用業務を再設計する ― 分析とデータ取得、2人の実践者に聞く」|2026/6/24(水)
「生成AIとバイブコーディングで広告運用の業務を変える」と話題にはなっていても、「何から始めればいいか」「本当に実務で使えるのか」「自分の環 …
2026/05/20(水)
セミナー「事故から学ぶ理想のGoogle タグ マネージャー運用 ― 計測トラブルを防ぐルール設計と運用の現実解」 【a2i DEEP Connection】|2026/5/20(水)
誰も全体を管理していない、複数の支援会社がそれぞれのルールで触っている、気付かないまま計測トラブルが起きている。そんなGoogle タグ マ …
【コラム】広告運用業務のインハウス化で、本当に自社に残すべきものは何か?
アナリティクスアソシエーション 大内 範行生成AIの登場によって、広告業務のインハウス化が注目されています。 P-MAXなど広告運用の自動化が進み、クリエイティブ制作にも生成AIが活 …
【a2i DEEP INSIGHT】「データの墓場」からの脱却と計測基盤の地殻変動
発信元:メールマガジン2026年6月3日号より毎月a2iメンバーがピックアップした記事の中から、マーケターやアナリストが「DEEPな視点」で再考すべきトピックを厳選してご紹介します。 2 …
【コラム】「キバン」と「ヒョーバン」── GoogleのAI最適化ベストプラクティスから読み取る両端
アナリティクスアソシエーション 大内 範行GoogleがAIに選ばれるコンテンツのベストプラクティスを公開しました。 「ついにGoogleが公式な指針を出したのか!」と、生成AI最適 …