コラムバックナンバー
株式会社Rejoui 菅 由紀子
発信元:メールマガジン2018年12月12日号より
今年は関西学院大学大学院でのマーケティングリサーチ・データ分析の講座に加え、自社でのセミナー開催やお取引先企業での統計学の研修など、統計学やデータ分析の講座を実習つきで行う機会を多くいただきました。
実習つきの講座の場合は、できるだけ実務で扱うデータを用いた実習を行うようにしておりますが、それをグループワークで行う際はチーム分けを目的としたアンケートを事前に実施し、そのデータをもとにしてチーム編成を考えています。事前アンケートの内容は主に、スキルについての設問/受講者の方の性格特性について/受講者の方の職種や(企業内研修であれば)ご所属の3つで、合わせて20問程度で2~3分で答えられるように設計しています。
スキルについての設問では、主にデータ処理や統計ソフトウェア・言語の経験(Excel、Access、SQL、R、Python等)、統計とロジカルシンキングの基本的な知識について尋ねています。データサイエンティストの3つのスキルカテゴリ(ビジネス力、データサイエンス力、エンジニアリング力)をベースにして考え、受講対象の方によってアレンジしています。チーム分けに用いる際には、できるだけビジネス力、データサイエンス力、エンジニアリング力の3つ全てのスキルがどのチームにも存在するようなチーム編成を行うようにしています。
ここを考慮しないでチーム編成を行ってしまうと、データの処理がエンジニアリング力のある方に集中してしまったり、統計的な判断がデータサイエンス力の方に集中してしまったり、どこかに偏りのある結果になりかねません。また、スキルのカテゴリだけではなく、そのスキルのレベルというのも考慮する必要があります。これは研修に限った話ではなく、データ分析のプロジェクトにおいてはどのような場面でも必要な考えです。
性格特性には、とても簡易ではありますが性格五因子とよばれる特性を考慮したものをお聞きしています。似た考えの方をまとめるか、様々な意見が出るように分散させるかは分析のテーマや受講者の皆さん全員の方向性、時には研修の依頼元のご希望にもよります。
属性と職務経験についての設問では、あまり多くは尋ねないのですが、業種と職種、現在の職種の経験年数、プロジェクトマネジメントのご経験などを尋ねています。長時間あるいは長期間、データ分析という苦労をともなうプロジェクトをご一緒しますので、推進力のある方がいるかどうか、といったことは時間が経つとチームによってその成果にかなりの違いが出てきます。
複数の分析テーマで行う研修の場合はテーマ別に興味の有無で分けるということもよく行なわれていると思いますが、私が必ず伺うのはスキルについてです。受講生の皆さんのスキルレベルの把握をすることにより、それを考慮した講義を行うことができますし(もちろん全ての方に合わせられるわけではない)、前述のように、どなたかに作業が集中してしまうということを避けることができます。
HR領域、組織編成やパフォーマンスに関わる分析は色々と行っておりますが、そこで得た知見も今後の実習付きのセミナーでのチーム編成に活かしていければと思っています。
株式会社サイバーエージェント、株式会社ALBERTを経て、2016年に株式会社Rejouiを設立。DX推進支援、データ分析・利活用コンサルティング、データサイエンス教育事業などを展開。
統計ソフトRやPythonを活用した分析入門講座をはじめ、学生、企業、官公庁へ向けた統計・データサイエンス学習講座を提供。日本行動計量学会、WiDS TOKYO @ YCU、日本RNAi研究会等、数々の学会およびシンポジウムに登壇。自身がアンバサダーを務める人材育成の活動(WiDS HIROSHIMA)が評価を受け、2021年度日本統計学会統計教育賞受賞。
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