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KPIの運用では、そこからコミュニケーションが誘発されなければなりません。

「なぜここで数字が増えたの?」「この数字は変化がないけれど大丈夫?」といった変化への疑問や気付きだけでなく、「これって何?」「え、そういう風に見るんだ」「こう思っていたけれど実際は違うんだ」など、知識や視点の共有としてもコミュニケーションは有益です。

加えて、KPIやダッシュボードの設計は一度すれば終わりではなく「生き物」ですから、運用していく中で改善するものです。「この指標はそこまで重要でなくなってきた」「粒度が細かすぎるよね」「表現がわかりにくい」「これは月次ではなく週次の方が」といった意見をくみ取っていかなければいけません。その際にもコミュニケーションは重要です。

そのような議論があったイベントのスライド資料を先日拝見しました。
デザインとコミュニケーションで改善するデータのUX – Speaker Deck

よくあるダッシュボードの問題点として「グラフが何を表しているのかがわからない」「コミュニケーションが生まれない」という点を挙げ、データを介したコミュニケーション活性化が必要というのは、非常に同意します。

また支援する側としては、「社内の情報流通に乗せる難しさ」を常に感じます。

「特定URLへのアクセスでダッシュボードが利用できる」というレベルではなく、普段から組織内メンバーが目にするところ、企業内の「タイムライン」へ流通させて、「把握、確認」「発見、気付き」「疑問、仮説」を誘発させなければなりません。KPI運用は企業文化の一つですから、コミュニケーションが必要です。

資料でも紹介されているSlackでの流通は、カジュアルなコミュニケーション喚起として素晴らしいです。企業の風土に合わせた情報流通を考えなければいけません。

KPI運用では、「誰でも見られる環境を整える」から一歩進んで、「コミュニケーションを誘発させる」意識が設計時にも運用時にも必要だと、あらためて感じました。

KPI運用が「企業文化」、ダッシュボードが「生き物」であれば、コミュニケーションは「血液」でしょうか。

イベントの開催内容の記事はこちら。
THE GUILD勉強会 #03 「データ×UXデザイン」を開催しました|THE GUILD

コラム担当スタッフ

いちしま 泰樹

株式会社真摯
代表取締役
真摯のブログ

外食チェーンストア、百貨店、Web制作会社(株式会社TAM、デジパ株式会社)、インターネット広告代理店(株式会社アイレップ)を経て独立。2010年にCinciを設立し、のち株式会社真摯として法人化。

マーケティング視点と分析データの根拠を元に、クライアントのデジタル領域のビジネス改善を支援している。a2iセミナー編成委員会。

著書に『Google アナリティクス 実践Webサイト分析入門』(インプレス)。

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