コラムバックナンバー
株式会社Rejoui 菅 由紀子
発信元:メールマガジン2018年7月18日号より
先月、Ed Tech X Europe 2018 に参加するためロンドンへ行ってきました。
この日のEd Tech X Europe 2018 を中心に、この1週間は Ed Tech Week としてロンドン市内で様々なイベントが開催されており、Ed Tech のものとしては世界最大のイベントです。この Ed Tech X Europe 2018 で語られていたことで印象的だったことをいくつか挙げたいと思います。
◆教育産業におけるデジタル支出は極めて少なく、2.5%程度
EdTechX のCEO & Co-Founder Benjamin Vedrenne-Cloquet 氏によると、教育産業におけるデジタル支出は極めて少なく、支出の2.5%程度とのことでした。比較として挙げられていたコンテンツ産業は35%でしたので、極めて少ない状況であることが分かります。
2030年までに教育産業のデジタル支出は11%までは伸びるとの予測でしたが、これでも少ないのではないでしょうか。AI時代に突入しているにもかかわらず、デジタルに関する支出が極めて少ないのは関連してデジタルリテラシー、データリテラシーに関わる教育にも直結する極めて大きな課題であると感じました。
◆人口増加により教育を必要とする人口も当然増える
人口が増加傾向にある現在、数年後・十数年後に教育を受ける必要がある人口も現在と比較して増えていきます。
あらゆる処理が自動化、機械化され労働面で人間が担うタスクは少なくなると言われていますが、その分AIを活用した事業開発や効率化そのものを考える立場としての人の役割はなくなりません。そういった役割が求められる人材の教育は急務ですし、また教える側の立場の人材も多く必要になります。こういった状況において教育面でのテクノロジーの活用は不可欠です。
◆STEM
展示会の出展企業・スポンサーは多種多様でしたが、デジタルコンテンツ、デジタル教科書・参考書の展示は自然科学を中心としたLANDKA社の展示が興味深かったです。
デジタル教科書とはこのようにあるべきという好例を見せていただきました。米国はSTEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)教育が進んでいると聞きますが、こういった教材があると科学を体感的に興味をもって学べると思います。
また、Coursera(世界最高峰の大学の講義を誰でもオンライン上で受けられるWebサービス)の集計で、最も人気の講義は機械学習、Neural NetworkとDeep Learning、そして数学であるというプレゼンも拝見しました。まさに時代のニーズはそこにあるのですね。日本にもUdemyなどにこれらの分かりやすい講座が増えてきましたが、学ぶためにも基礎となる数学や統計の力は不可欠であると再認識しました。
人生は学びの繰り返しです。効率よく学び、学び続けるためにテクノロジーで強化できることはまだまだ多くあり、教育業界におけるビジネスに大きな可能性を感じました。私自身も、新たなものを取り入れ、学び続ける人生でありたいと気持ちを新たにした渡航となりました。
株式会社サイバーエージェント、株式会社ALBERTを経て、2016年に株式会社Rejouiを設立。DX推進支援、データ分析・利活用コンサルティング、データサイエンス教育事業などを展開。
統計ソフトRやPythonを活用した分析入門講座をはじめ、学生、企業、官公庁へ向けた統計・データサイエンス学習講座を提供。日本行動計量学会、WiDS TOKYO @ YCU、日本RNAi研究会等、数々の学会およびシンポジウムに登壇。自身がアンバサダーを務める人材育成の活動(WiDS HIROSHIMA)が評価を受け、2021年度日本統計学会統計教育賞受賞。
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