コラムバックナンバー

前回のコラムでご紹介したHRtech領域と同様にデータ活用、分析技術を用いることについて注目している領域:Edtechについてお話ししたいと思います。EdTechとはEducation Technologyの略で、教育とテクノロジーを融合させ新しいイノベーションを起こすビジネス領域と言われています。

EdTechを語る際に欠かせないキーワードとして、私自身は現在Adaptive Learning、STEM(ステム)、シェアリングエコノミーの3つのキーワードに注目しています。

1)Adaptive Learning
アダプティブラーニングは、学習者の習熟度に応じて学習するコンテンツを提供するという考え方です。これについては、過去にコラムで触れておりますので、そちらを参考いただければと思います。
【メルマガコラム】習熟度に応じた学習を提供する「アダプティブラーニング」
上記のコラムで触れている学習履歴データの活用だけでなく、心理統計学、認知学習理論などを組み合わせた仕組みも、最近よく見かけるようになってきました。

2)STEM(ステム)
STEMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(エンジニアリング/工学)、Mathematics(数学)の頭文字を取った略語で、AI時代に突入しているいまの時代、これら科学技術に直結する領域に注力して教育を行うというものです。学校教育においては初等教育から高等教育まで様々な取り組みがなされていますが、私は社会人のスキルアップにおいてもこの領域の強化は必須であると考えています。特にデータリテラシー、統計学といった科学、数学については社会人こそこれから強化して学ぶべき領域であると思います。

3)シェアリングエコノミー
教育界でもシェアリングエコノミーの考え方はかなり広まってきました。教育界のUBERと言われているmanaboは、学生が解けない問題をアプリで撮影すると、その問題を教えられるチューターが見つかり、チャットや無料通話、画像共有などで教えてくれるというサービスです。米国のSkillshareは誰もが先生になれるCtoCサービスとして広まっています。スキルの領域は多種多様で、実際の授業は対面で行われます。私は最も良い学びというのは、自分にぴったりの教師が個別に教えてくれる環境ではないかと思いますので、これらの仕組みにはたいへん大きな期待をしています。

Edtechにかぎらず、これからのどの産業においてもAIやデータの活用は当たり前の時代になりました。「AIやデータ活用方法の武器をもって仕組みを変える」「イノベーションを起こす」という視点をもって、自分に必要なスキルを学んでいくというのが、今の時代の社会人に求められていることではないかと思います。

コラム担当スタッフ

菅 由紀子

株式会社Rejoui
代表取締役

株式会社サイバーエージェント、株式会社ALBERTを経て、2016年に株式会社Rejouiを設立。DX推進支援、データ分析・利活用コンサルティング、データサイエンス教育事業などを展開。
統計ソフトRやPythonを活用した分析入門講座をはじめ、学生、企業、官公庁へ向けた統計・データサイエンス学習講座を提供。日本行動計量学会、WiDS TOKYO @ YCU、日本RNAi研究会等、数々の学会およびシンポジウムに登壇。自身がアンバサダーを務める人材育成の活動(WiDS HIROSHIMA)が評価を受け、2021年度日本統計学会統計教育賞受賞。

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