コラムバックナンバー
メールマガジン2015年4月8日号より ALBERT 菅 由紀子
4月4日は桜の満開と皆既月食が重なり、各地で夜桜とともに赤い月を写真に収めようと熱心な天体ファン・カメラファンが撮影スポットを探していたそうです。残念ながら天候に恵まれた場所は少なかったようですが、皆様はご覧になれましたでしょうか。
私個人は天気予報の精度は年々高くなっていると実感しており、天候の予測にはどのような取り組みがされているのか非常に興味のあるところです。天候の予測というのは、我々が最も身近に接するデータ活用の1つかも知れません。
さて今回は、やはり身近に接することの多い、通販サイトの取組について考えてみたいと思います。通販サイトで物を購入すると、納品物とともに手書きの手紙やちょっとしたオマケ、サンプル品など様々な物が同梱されてきます。こういった取り組みは、もはや通販事業者にとっては当たり前のノウハウとして行われています。
「○○様、この度はお買い上げありがとうございます。担当の○○です」
「○○様 この商品をより長くお使いいただくために・・・」
などといったお手紙はよく目にされるかと思いますが、特に初回購入時のラブレターは非常に工夫を凝らしたものが封入されています。
商品を開封する際に閲覧される納品書・請求書などに代表される同梱物のメディアの閲覧率は非常に高いと言われており、そこでどのような情報を届けるかは、ネット通販が普及する以前から多くの工夫がされてきました。
通販事業者が持つ大きな課題の1つが、2回め、3回めと繰り返し買ってくれる顧客をいかに育てるか、ということです。そのため、対象者にとって最適な”タイミング”で最適な”情報”を届ける、ということが重視されるようになり、この2~3年でキャンペーンマネジメントシステムは多くの事業者で導入されています。そして、このシステムを活用するに際して最も重要なのは、考案したキャンペーンを「いつ」実行するか、ということです。では、それはどのように決めれば良いのでしょうか?
それにはやはり、行動履歴データを解析し、意思決定することが必要であると私は考えます。
ある通販事業者様(アパレル)での例をご紹介したいと思います。
その事業者様においては、「2回めの購入に至った方々が、初めての購入から2回めの購入に至った」のに最も多かったのが【3日後】という結果でした。3日をピークに、徐々に減っていく・・・という分布だったのです。人が次に購入する時期はもう少しばらつきが有ることを想定していたので驚きました。この事業者様では、次回の購入が【3日後】というのは、おおむね購入した商品が手元に届くタイミングでもあるということでした。購入した商品が手元に届き、商品・サービスが非常に良いものだったので、再度購入をする、ということが起きるのが【3日後】であった、という仮説が成り立ちます。
さて、最頻値が【3日後】だったので、初めて購入した人に何日後に次回購入を促すのが良いのか? については様々な意見が出ました。
1)3日後が最も多いので、3日後にアプローチする
2)3日後では遅い。2日後にアプローチする
3)3日後に高い評価の顧客は何もしなくても買ってくれる。他の日にアプローチする
皆様はどの選択肢を選ばれるでしょうか?
キャンペーンマネジメントシステムの仕様やデータの連携の制約上、行えない選択肢というのもあります。実際のところはA/B テストを行ったり、どれかで始めてみてチューニングを行う、というのが現実的でしょうか。結果データが得られれば、分析自体のアプローチを見直したり、他のデータや変数を検討して、さらに予測精度をあげていく・・・というサイクルを実行できると理想的ではないかと思います。
対象となる商材やサービス、カテゴリが異なると、何日後にアクションがあるのか? ということはもちろん異なります。サイトへの来訪サイクルなどにも活用できるかと思いますので、ぜひ参考になさってみてください。
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