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サイトリニューアル時にアクセス解析データを活用することは多いです。「自然検索流入の増加」「回遊と訴求の改善」「行動喚起の改善」など、目的を持ってリニューアルすることが多いですから、現状の数字に対して評価を行い、目標値を定めて改善に取り組むというのが一般的な流れかと思います。

・自然検索流入の現状はこれぐらいの数字だが、XX%増を図りたい
・事例紹介コンテンツへの到達度が低いので、XX%になるまで回遊面を改善したい
・特定のランディングページ群のCVRが低く直帰率が高いので、それぞれXX%とXX%になるまで、訴求の見直しと行動喚起の要素を見直したい

このように要素にフォーカスを当てて改善に取り組み、その要素に関わる数値の経過をリニューアル前後で追いかけることになります。

ただし、サイトリニューアルのようにある程度の規模の改修であれば、意識していなかった数値に変化が出ることがあります。ページレイアウトや表現に大きな変化が起これば、それまでのユーザー遷移がいったんリセットされることがあるからです。

サイト内検索の利用状況は、サイトリニューアル前後で大きく変化する部分の一つです。

ECサイトでなくても、ユーザビリティの観点からサイト内検索を設置しているサイトも多いでしょう。常連層をはじめとしたリピートユーザーは、それまで慣れていたサイトが大きく変わって目的のコンテンツがどこにあるかすぐにわからなければ、サイト内検索の利用に流れることがあります。

サイト内検索の利用が増えることが、必ずしも悪いことではありません。サイト内検索で適切に誘導できていればひとまずはよしと言えるでしょうし、リニューアルによるUI変更に伴うリピートユーザーの行動としては自然なものです。サイト運営者側としては、それが一過性のものか、また「ユーザーの声」としてサイトに反映できるものかどうかを見るために、その変化に注目しておくべきです。

・サイト内検索の利用率の変化
・サイト内検索キーワードの変化
・サイト内検索が利用されたページの変化
・サイト内検索で適切に誘導できているか

このような利用状況が、新規訪問やリピート訪問別、またPCやモバイルといった端末ごとで変化がどう推移しているかを確認します。サイトリニューアルは運営者主導で行われますから、サイト内検索の利用状況というユーザーの声を、どのようにサイトに反映すべきかの判断をしていかなければなりません。

主要なアクセス解析ツールではサイト内検索の利用状況は把握できますし、サイト内検索のASPを利用していれば利用状況が確認できる機能を多くは持っています。サイト内検索の利用状況は意識していなければなかなか気がつかない部分ですが、「ユーザーからのフィードバック」という意味では改善につなげやすい貴重な情報です。大きな取り組みを行った際に定期的に把握しておくと良いでしょう。

コラム担当スタッフ

いちしま 泰樹

株式会社真摯
代表取締役
真摯のブログ

外食チェーンストア、百貨店、Web制作会社(株式会社TAM、デジパ株式会社)、インターネット広告代理店(株式会社アイレップ)を経て独立。2010年にCinciを設立し、のち株式会社真摯として法人化。

マーケティング視点と分析データの根拠を元に、クライアントのデジタル領域のビジネス改善を支援している。a2iセミナー編成委員会。

著書に『Google アナリティクス 実践Webサイト分析入門』(インプレス)。

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