コラムバックナンバー

データにかかわる仕事をしているとエンジニアと接する機会もそれなりにあるでしょう。彼らが一体どういう職種なのか。別世界の生き物なのか、考えてみたいと思います。

エンジニアはMECEな思考に強い。ロジカルに考えることが得意な傾向にあります。というよりエンジニアは強制的にロジカルに思考せざるを得ない状況に追い込まれているのです。MECEでないとプログラムのロジックは破綻します。エンジニアリングは論理の塊です。基本的にエンジニアにはこういったロジカルな思考が身に付きます。「非エンジニア」の方はこういった思考を苦手としている、つまりロジカルが苦手だからエンジニアリングを避けているということはありませんか?

ビジネスの世界では「ロジカルシンキング」などを改めて学ぶ機会があります。いわゆるロジカルシンキングの類とエンジニアリングは一致するものではないですが、論理的な思考というところで大きく共通することはあります。エンジニアリングをプログラムの開発・システムの設計だけでなく、論理的な思考のスキルとして身に付けるのはビジネスにおいても大変役に立つことなのです。

関数やコマンドなど特定の技術を覚えることではなく、エンジニア的思考を学ぶのは重要です。制御構造、クラス化、…こういったものは特定のプログラミング言語に限定されるものではなく、複数の言語で通用する考え方です。一流のプログラマが未経験の新しい言語でもすぐに習熟してしまうというのは、あらゆる言語に共通するプログラミングの幹、そもそもプログラムというのはどのように設計すればいいかというエンジニア的思考がしっかりしているからなのです。彼らにとって言語の違いは記述方法の違いにすぎません。その幹がしっかりしていないと新しい言語の習熟に苦労するわけです。それはそもそもエンジニア的思考が弱いということを表しています。

最近「ノーコード開発」などが一部でもてはやされています。「プログラムを書かなくてもアプリを作れる」と言われます。しかしこれは極めてエンジニア目線の評価なのでありまして、実装自体はプログラミング言語を使わなくても可能。しかし設計はしなければならない。その設計においてエンジニア的思考が必要となります。結局エンジニアにとっては簡単なのですが、非エンジニアにとってはハードルが高い。RPAなんかもそうですね。人間の動作を自動化する。その命令の仕方自体を定義するのにエンジニア的思考が必要なのです。

非エンジニアであっても、プログラミング言語自体は実装できなくても、エンジニア的思考に強い人になれることは重要なのです。しかしそのためにはどんな言語でもいいので、一度何かのプログラムを書いてみるのが近道ではあるのですが……。プログラミングが苦手な方は、プログラミングの何が苦手なのかをブレイクダウンしてみるといいです(こういったブレイクダウンしてパターンを見出すのもエンジニア的思考です)。言語を覚えることが苦手なのか、プログラムを記述する作法が苦手なのか。それとも設計、ロジカルに考えることなのか。しかし「論理的思考が苦手だから○○になる」これではもったいない。プログラミング言語というスキルだけでなく、思考の方法論という観点からエンジニアに近づいてみることもおすすめです。

コラム担当スタッフ

柳井 隆道

Option合同会社
代表社員
マーケティングテクノロジスト
marketechlabo

東京大学を卒業後、webマーケティングやサービス企画、システム開発などに従事。
デジタルマーケティングの世界に落ち着き、事業会社、広告代理店を経て2014年に独立。
現在は大小さまざまの事業会社、広告代理店などに対して、テクノロジー観点からデジタルマーケティングの支援を行っている。データ計測の設計、実装から分析、マーケティングオートメーションや広告運用などの施策との連携まで扱う。
さまざまな規模の経験から、企業の身の丈にあったデジタルマーケティングの企画に強い。フリーランスで活動していたが、2017年から法人化。

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