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160ぐらいあるGoogle アナリティクスの機能。

慣れない人はすべてを覚えようとして挫折することが多いですが、実はよく使う機能は22%しかないというデータがあります。その中でさらに重要な機能はどれなのでしょうか?

スペシャリストの皆さんにイチオシの機能とイマイチの機能を運営堂の森野が聞いてみました。

■大内範行さんのイチオシ機能は集客>すべてのトラフィック>チャネル

森野:いきなりですが大内さんが一番おススメの機能はどれでしょうか?これがないとGoogle アナリティクスを使う意味がないような機能です。

大内:集客>すべてのトラフィック>チャネルですね。ここを起点にして次に行動レポートを見る流れです。チャネルのレポートは分析の起点であると同時にGoogle アナリティクスの設定が上手くいっているかどうかがわかる部分でもあるので、最初に見るようにしています。

Displayにあるべきものがother(※1)になっているとか、同じ会社内でも参照元/メディアの表記が違うとかです。また、最初の設計がちゃんとできていないと、後から分析する人が理解するのに時間がかかってしまってビジネスゴールまでたどり着けないこともありますから、まずはここから見ます。

森野:出所がわからない数字は何とも扱いにくいですよね。数字を見て判断しようにも正しいかどうかわからないので、結局、設定を見直してデータを取り直すケースも出てきてしまいます。

大内:チャネルレポートなどの集客のレポートは目標のデータも合わせて出てきますので、目標が正しく設定されているかどうかのチェックもできるのが良いところです。とりあえずフォームの完了画面などを設定していしているところが多いですが、サイト上のゴールが実際のゴールでもないことが多いです。自動車の販売などがそうですよね。

森野:電話のタップであったり、Google 広告と連携して来店コンバージョンも取れるようになってはいるものの、設定できているところは少ないです。

大内:チャネル同じぐらい重要なのがランディングページです。入口がどこになっているのかというのはもちろん、セカンダリディメンションに「2ページ目(※2)」を設定することで何をしたかったのかがわかります。

森野:「2ページ目」のディメンションはあまり知られてないですがよく使いますよね。

大内:ランディングページを見るのは動きを見る意味もありますが、トップページだけに執着してしまっている人に新たな気づきを与えるのにも使えます。実はトップページがランディングページになっているのは全体の20%ほどになっていることも多いですから。

標準のレポートでもセカンダリディメンションをうまく組み合わせると発見は多いと思います。

森野:ここは初心者の人も分かりやすい部分ですね。ありがとうございます。逆にこれは使えないというイマイチ機能はありますか?使えそうなんだけど、そうじゃないといった機能でもよいです。

大内:クロスデバイス(※3)です。クロスデバイスのデータはGoogleしか出せないデータなので期待していたんですが、ほとんどクロスしていなくてイマイチですよね。思った以上にデータが集まっていなくて精度が高まっていないんだと思います。

森野:デバイス経路には期待していたんですが、ここもデータがほとんど出ないですよね。午前中に電車の中でスマホで昼間に会社のPCで…という経路があれば面白かったんですが。

大内:クロスデバイスはユーザーの期待値が異常に高かっただけに、そのギャップも大きい機能でした。

森野:3つの円が重なるはずのデータも何か期待させるものでしたよね(笑)。

※1 あらかじめ用意されたチャネルグループ以外の設定は(Other)になってしまう。
Webサイト全体の集客状況をチェックするには? GAの[チャネル]レポートを活用する[第27回] | 衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座 | Web担当者Forumを参照ください。

※2 ランディングページの次に見たページがわかるディメンション。似たような名称で「次のページ」があるが、こちらは他のページから遷移してきた場合も含まれる。

※3 【GA速報】自動クロスデバイストラッキング機能が新登場!User ID設定不要! | Web担当者Forumの記事にあるようにリリース当初は期待する人も多かった。

■小川卓さんのイチオシ機能はセグメント

森野:続いて小川さんのイチオシ機能を教えていただけますでしょうか?

小川:これはもう完全にセグメント(※4)です。分析は仮説の検証が基本なので、例えばトップページで新規のユーザーがここを押してるんじゃないかとか、サイトに対して知りたいことがあった時に検証する方法がセグメントしかないんですよね。

森野:私もセグメントはよく使いますが、中級者以上のイメージがあります。そのあたりはどうでしょうか?

小川:Google アナリティクスをあまり見なくなってしまう人は2パターンになると思っていて、1つはそもそも設定ができていなくてデータが取れていないパターン。もう1つは自分が知りたいことがあるんだけどその見方がわからないパターンです。後者の場合にセグメントの機能を知っていればいろいろな発見があって、初心者でもちょっとずつデータを見るようになると思うんですよね。

森野:セグメントを自分で作るのはちょっと難しいですがデフォルトのセグメントでも良いのでしょうか?

小川:そうですね。データを分けないと何もわからないので、スマホのみとかコンバージョンしたユーザーでも良いと思います。そこから慣れていけばいいですから。

森野:なるほど。まずはレポート画面の青丸を押す習慣を身につけるということですね。


図1.Google アナリティクスを使いこなすための青丸は左上に

小川:セグメントでもの足りなくなってきたらクリックであったり、スクロールなどのイベント(※5)データを取得したりカスタムディメンション(※6)を設定する流れだと思います。

森野:ここまで来ちゃうと設定が難しいですけど分かることが増えますよね。では、小川さんのイマイチ機能はどれでしょうか?

小川:期待値が高いのに使えないのはクロスデバイスですね。

森野:そこは大内さんも全く同じことをおっしゃってました(笑)。

小川:やっぱり(笑)。では、誤解を招くかもしれませんが、マルチチャネル(※7)とアトリビューションですね。なんとなく間接効果はわかるものの、それを改善するのが難しいからです。「3回目にリタゲを出して4~6回目は出さないで7回目に出してください」とか無理ですよね(笑)。

森野:LINEやメールなどはある程度コントロールできますが、広告と一緒になるともう分からないですよね。

小川:そうですね。LINEとかメールはPUSH施策なので単純に新規とリピートや訪問回数を見ればわかるというのもありますし。あとは細かいところでいえばセカンダリディメンションの設定などでプルダウンに出てくる「ページ」と「目標の完了数」などですね。

森野:あ~、わかります!「ページ」で検索するとランディングページとかいろいろ出てきますし、目標も目標3の完了数とかたくさん出てきますからね。頻繁に使うのにパッと出ないことにイライラしている人は多いと思います。

小川:完全一致で「ページ」があればいいですよね。今までに1万回は「ページ」を設定していますので(笑)。

※4 Googleアナリティクス セグメント100選 コーナーの記事一覧 | Web担当者Forumでわかるように非常に自由度が高い機能。使い方のヒントもこちらの連載を参考に。

※5 クリックなどのユーザーの行動を取得するための手法。Google タグマネージャーを使うと設定がしやすいが、慣れていないとちょっと難しい機能。
Google アナリティクス イベント – タグ マネージャー ヘルプ

※6 独自の分析軸が設定できる機能。詳細はこちらの記事を参考に。
GAに用意されていない独自の軸で分析できる「カスタムディメンション」を設定する方法[第54回] | 衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座 | Web担当者Forum

※7 コンバージョンまでの訪問者の気持ちを読み解く! GAの[マルチチャネル]活用法[第49回] | 衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座 | Web担当者Forumを参照ください。

■木田和廣さんのイチオシ機能もセグメント

森野:3人目は木田さんです。木田さんのイチオシ機能は何でしょうか?

木田:1個だけといわれればセグメントです。

森野:木田さんもセグメントなんですね。その理由は?

木田:分析の基本は特定の条件ユーザーがどんな振る舞いをしたのかを知ることなんですよね。スマホでトップページぐらいでは甘くて、その次にどこを見たのかぐらいまでは見ておきたいです。セグメントはその詳細な一部を取り出せるのが良いところです。

森野:特定の条件についてもう少し詳しく教えてください。

木田: よくあるのは、時間をかけて作った特集ページが効果を出していない場合ですね。まず、見られていないんじゃないか?熟読されていないんじゃないか?自然広告は?広告は?と見ていくうちに全部効果が出ていないわけではないことがわかる。そうすると効果出ているところ出ていないところを比較してみればいいですよね。

森野:いろいろ考えていることをセグメント化して見ていく流れですね。セグメントづくりでこう考えると良いよ、という考え方はあるでしょうか?

木田:目標関係が一番いいと思います。自分たちが気にしていること×目標ですね。例を挙げると力を入れて作ったLP×目標やSEOで改善したページ×目標です。

目標を達成した人で共通する特徴を見るといいですね。次のページとかデバイスとか地域を見るとか。

森野:地域は意外と見ないですよね。BotBだと支店や営業所があるエリアがやっぱり強いとか、なぜか北陸が良いとか気づきが多いので見てほしいレポートです。小川さんと被ってしまったのでセグメント以外だとありますか?

木田:笑われるかもしれないけど「直接セッション(※8)」のディメンションですね。これが大好きです(笑)。自然検索が5回続いて最終的にコンバージしたときに、絶対そんなに続いていないと思うんですよね。絶対にdirectのセッションがあるはずです。それを見るときに「直接セッション」を使っていて、Tableauを使うことも多いのでAPIがないのがものすごく残念です。

森野:Google アナリティクスを使っているとどこかで必ずぶつかるやつですよね。directの場合は1つ前の参照元があればそれを持ってくるという、Google アナリティクスの特殊な仕様です(※9)。directのはずのセッションがわからなくなってしまうので、「直接セッション」は途中から追加されたんですよね。そんな木田さんのイマイチ機能は何でしょうか?

木田:なんとかフロー(※10)でしょうか。ユーザーはあらゆる動きをして樹形図のように広がっていくので、なんとなく見ても得られるものが無いです。自分たちが気にしていること×目標のセグメントなど、明確な意図を持っているのであれば良いのですが。

森野:なんとかフローは見た目にわかりやすそうなので気にしている人は多いものの、おっしゃるように無限に広がっていくのでこれといったルートが見つからないですよね。

※8 Google アナリティクスの特殊な参照元の仕様で分からなかった実際の参照を元がわかる機能。
【新機能】今までのGAの参照元は何だったの? “本当の参照元”がわかる「直接セッション」の使いどころ | 衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座 | Web担当者Forum

※9 これを知らないとGoogle アナリティクスを知らないといわれてもおかしくないぐらい有名な仕様。誰もが1度は引っかかって調べることになる。
Googleアナリティクスの「参照元」は過去にさかのぼる。GA独自の定義を正しく理解する[第25回] | 衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座 | Web担当者Forum

※10 Google アナリティクスにある「なんとかフロー」はユーザーフロー、行動フロー、ゴールフローの3つ。

■いちしま泰樹さんのイチオシ機能はコンテンツグループ&行動フロー

森野:4人目はいちしまさんです。チャネル、セグメントと来ましたがいちしまさんのイチオシ機能は何でしょうか?

いちしま:皆さんが挙げていないものであれば行動フローでしょうか。

森野:ユーザーフローではなくて行動フローなんですね?

いちしま:行動フローはコンテンツグループ(※11)が反映されて、ユーザーフローは反映されないんです。コンテンツグループが反映されるとどうなるかというと、どこからやってきたユーザーが、どのかたまりに着地して、次にどのかたまりに行ったのかがわかります。これを見るのは行動フローしかないです。

森野:ページ単位で見てしまうと細かくなりすぎるということですね。

いちしま:そうですね、これを使ってこんな感じの図を作るとわかりやすいです。


図2.四角がコンテンツグループ、矢印が遷移率のような図を作るとわかりやすい

さらに、「前のコンテンツグループ」「次のコンテンツグループ」というディメンションもあるので、ランディングページのセカンダリディメンションに入れたり、ナビゲーションサマリーでも見ることができます。行動フローもセグメントは設定できるので自然検索でこのかたまりに来て、次にどのかたまりに行ったのかもわかります。

森野:これを作ることができたらかなりわかりやすいですね!しかも「前のコンテンツグループ」「次のコンテンツグループ」はほとんど知られていないディメンションなので知っておくと便利そうです。

いちしま:毎回使うかといわれたそうでもないんですけどね(笑)。皆さんがお話されたもの以外となるとこうなるということで。

森野:気を使っていただいてありがとうございます(笑)。イマイチ機能は何でしょうか?

いちしま:ECサイトなどのサイト内検索が頻繁に使われる場合でのサイト内検索レポート(※12)ですね。検索キーワードのレポートでキーワードをクリックするとリンク先ページのレポートになるんですよね。サイト内検索をした次のページって当然、検索結果のページじゃないですか。それを知ってどうするんだと。

森野:確かに。実際は検索結果からどこに行ったのかを知りたいんですよね。

いちしま:そうですよね。実はGoogle アナリティクスにはちゃんと「検索のリンク先ページ」というディメンションが用意されています。検索キーワードのレポートでセカンダリディメンションにこれを設定すると見たいレポートになります。

森野:ちょっとマニア度が高めな感もありますがこれは使えますね。コンテンツグループもサイト内検索も設定しないと使えない機能ですが、いちしまさんのお話をお聞きすると設定しない手は無いですね。

※11 コンテンツを任意のグループにまとめることができる機能。商品ページ、ブログ記事などの似たようなコンテンツでまとめると効果的。詳しくはこちらの記事。
Googleアナリティクスの新機能・コンテンツグループを使って、ページを自由に分類して分析してみよう(第85回) | Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座 | Web担当者Forum

※12 ECサイトでは必須の機能。設定などはこちらの記事をご覧ください。
サイト内検索は訪問者のニーズそのもの! GAでサイト内検索キーワードを分析する2つの方法[第44回] | 衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座 | Web担当者Forum

■森野のイチオシ機能は保存(旧ショートカット)とキーボードショートカット

私の場合はちょっと変化球というか知っていると便利な機能で、保存とキーボードショートカット(※13)がイチオシです。

下図のように年齢・性別・OSでユーザー数と目標の完了数を見ることができるレポートを作ることがありまして、何回も作るのが面倒なんですよね。そんな時にこれを保存しておくと一発で出てきてくれるのでとても便利です。細かいところを言うと、表示する行数が25行になっていますがこれも保存してくれます。セグメントを作る前にこれを見ておくと狙いをつけやすいというメリットもあります。


図3.セグメントが面倒な人向けのレポート

保存したレポートの難点は期間まで保存してしまうことなんですが、ここでキーボードショートカットを使うわけです。キーボードでd→3→0の順に押せば過去30日のレポートになって、さらにd→xで前年同月比、d→cで前月比になるので、期間設定をいちいちクリックしなくても良いという便利さです。

あらゆる条件を保存してしまうために他のアカウントとの共有はできないものの、自分しか見ない細かいレポートは保存することをおススメします。

イマイチ機能はインサイト(※14)ですね。

「ねぇGA。目標を上げる方法を教えて」と聞いたら回答してくれそうな感じですがそんなことはまったく無く、日本語が難しいこともあってか、たいしたことを教えてくれません。「一部非表示ユーザーが6月にサイトを再訪しました」といわれても何のこと?って思いますよね。

アクセスの急増急減も教えてくれるものの、急増急減があればすぐに問題になっているはずなので「知ってるよ」となって結局使えません。これも最初は期待されたものだっただけに残念です。

※13 無駄な作業時間を短縮! プロアナリストがGoogleアナリティクスの効率化に常用しているショートカット機能(第82回) | Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座 | Web担当者Forum
これを見ると便利さがわかると思います。

※14 Google アナリティクスの右上に出てくるモンスターボールのようなアイコンがインサイトです。どんな機能かはこちらのヘルプを参照。
インサイトと質問の回答を取得する – アナリティクス ヘルプ

■余談というかまとめ

皆さんに共通しているのは、webサイトで何が起こっているのかをざっくり把握して、見たいものがあればそれを検証していくという、分析の基本的な考え方です。なんとなくレポートを見て改善点を探すことは誰もやっていません。健康診断的に全体を見ておいて、ちょっと胃の調子が…となればそこを見るイメージですので、とりあえずレポートを見ただけの人には参考になったのではないのでしょうか?

イマイチ機能はかなり面白いですね。Google アナリティクスをずっと使っているがゆえに期待値も高まっているので、裏切られた感があるのでしょうか(笑)。

よく使われる機能と合わせてこの記事を参考にしていただければ幸いです。

コラム担当スタッフ

森野誠之

森野 誠之

運営堂

お膝元である愛知県を中心に地方のWEB運用を熟知し、主に中小企業を中心としてGoogleアナリティクスを利用したサイトの分析、改善提案やリスティング広告を用いた集客改善など、サイト運営の手伝いを行なっている。最新情報を押さえながら地方かつ中小企業向けのノウハウをわかりやすく説明できる数少ない人物。毎日発行されるWebマーケティング関連情報をまとめたメルマガ(毎日堂)は業界内でも愛読者の多い人気メルマガとなっている。

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