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先日面白い記事を見つけました。よくあるGoogleアナリティクスの見方なのですが、ここで取り上げている項目、根っからのアクセス解析をやってきた人からすると違和感がありませんか?

これからリスティング広告を始めるならチェックしておきたい、Google アナリティクスの8つのデータ(アナグラムブログ)

アクセス解析を専門的にやってきた人が見るレポートの順番ではないのです。アクセス解析の王道は

どこから流入してどんなページを見てコンバージョンしたか、どこで離脱したか、新規とリピートは……

あたりでしょう。しかし決して間違っている、見当違いの記事ではありません。読むとなるほどと思わせてくれます。この違和感がどこから来るのだろうと考えたのですが、実はこれは広告運用者目線の記事なのです。なるほど広告運用者がアクセス解析ツールを見るとこのような視点になるんですね。

この違和感を言語化するとアクセス解析の人は行動解析寄りで、広告の人はオーディエンス像を知ろうとする方向に考えがある、という違いです。オーディエンス像というのは「その訪問者がどんな人で、何に興味を持っている人なのか」という方向の関心です。一方で行動解析は「人がどのように行動して、どのようにしたらコンバージョンするか、離脱を阻止できるか」という方向の関心です。この両者は矛盾するものではありません。「人が行動する」の「人」に着目するのか、「行動」に着目するのか、その違いです。

そしてこの背景には、アクセス解析の人がかかわる施策というのはサイト内施策で、一方広告はサイト外の施策という違いがあるのです。アクセス解析の人は基本的には流入施策を細かく追求しません。というのも一般的なアクセス解析ではまずサイト内でできることをアウトプットとして求められますよね。

> サイトAとサイトBからの流入ユーザは共通して○○に興味を持っているから、○○を掲載しているサイトCから集客してみたらどうでしょう
> サイトDからの流入ユーザは○○の傾向があって、サイトEからの流入ユーザは△△の傾向がある。だから○○とも△△とも違う新しいサイトFからの集客を導入したらどうでしょう

こういった発想はあまりしないはずです。「○○の傾向があるユーザにはサイト内で××の対応をし、……」という発想になりがちでしょう。一方で広告運用者はサイトへの流入の文脈を操るのが仕事です。サイト内の施策についてはそこまで細かく考えるのが仕事ではありません。

> コンバージョンしているユーザは○○に興味を持っているから、○○を掲載しているサイトAから集客してみたらどうでしょう

こういう発想は広告運用者なら自然です。アクセス解析・サイト運用寄りの人にとって流入は所与のものであって変数は違うところにある。広告屋にとっては流入自体が変数なのです。この違いが同じGoogleアナリティクスでも見るポイントが変わる理由になっているのでしょう。

広告畑の人がアクセス解析ツールを見る視点の中に、アクセス解析屋が軽視しがちなアイデアがあるかもしれません。サイト内で何ができるかを求められてきたアクセス解析畑の人には、一歩引いてこういった視点もあるということを感じてほしいです。アクセス解析の専門家を目指すのであれば両方の視点を操れるようにならなければなりません。意外と盲点だった気づきを与えてくれたということで、今回の記事は大変新鮮でした。

コラム担当スタッフ

柳井 隆道

Option合同会社
代表社員
マーケティングテクノロジスト
marketechlabo

東京大学を卒業後、webマーケティングやサービス企画、システム開発などに従事。
デジタルマーケティングの世界に落ち着き、事業会社、広告代理店を経て2014年に独立。
現在は大小さまざまの事業会社、広告代理店などに対して、テクノロジー観点からデジタルマーケティングの支援を行っている。データ計測の設計、実装から分析、マーケティングオートメーションや広告運用などの施策との連携まで扱う。
さまざまな規模の経験から、企業の身の丈にあったデジタルマーケティングの企画に強い。フリーランスで活動していたが、2017年から法人化。

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