コラムバックナンバー

■Googleの突然の発表

先日Chromeが2年以内にサードパーティcookieをブロックすると正式に発表しました。

Building a more private web: A path towards making third party cookies obsolete

以前からこの方針は垣間見えており、いずれこうなるだろうというのが識者の共通見解ではありました。今回正式にリリースがされたので広く一般に知れ渡ることになりました。

この動きはSafariのITPと同様、プライバシー重視の流れの中に位置づけられます。Safariでは以前からトラッキングを目的としたサードパーティcookieはブロックされておりましたが、Chromeもこれに追随する形で2年以内にサードパーティcookieをブロックすることになります。

こうしたブラウザ/OSベンダによる技術的なプライバシー保護施策が強まる一方で、法的にもGDPRやCCPAといったプライバシー保護規約が制定されつつあります。日本でも昨年末から個人情報保護委員会が個人情報保護に関する新しいガイドラインまたは法令の制定を検討しています。

ということで、2020年は個人データとの向き合い方において大きな転換を迫られる年になるでしょう。技術面と法令面とは分けて考えていかなければならないのですが、今回のコラムでは技術面に着目して解説していきます。

■具体的にできなくなること

サードパーティcookieのブロックによって、ウェブブラウザで以下のことができなくなります。

1. サードパーティデータを活用したDMP

代表的なのが年齢やデモグラフィック属性、興味を推測するDMP。これまでは広告のターゲティングやマーケティングリサーチで使われていたものです。ちなみに自社データのみを使うファーストパーティDMPは有効であり続けます。

2. ブラウザの履歴を利用したオーディエンスターゲティング

ただしGoogleはGoogleシグナルなどのcookieを使わずにユーザの推定をする方法を持っているため、Google広告においてはオーディエンスターゲティングは有効であり続けるでしょう。つまりGoogle以外の広告ではオーディエンスターゲティングができなくなり、Google広告ではオーディエンスターゲティングができるという、チート状態になります。
今回の方針はプライバシーの保護を盾にしながら相対的にGoogleが強くなる状況を作り出しているとも言えるわけです。

3. リマーケティング
4. ビュースルーコンバージョン計測

ウェブブラウザが対象になるのでスマートフォンのネイティブアプリは対象外。
Googleアナリティクスのような一つのサイト(一つの親ドメイン)に限定したユーザの行動は依然として記録可能です。

なぜこうなるのか?どんな原理なのか等詳細はこちらのページをご覧ください

サルでもわかるGoogle Chromeのプライバシー対策で何が起こるのか

■デジタルマーケティングにおいて迫られる方針転換

現時点ではChromeではこれらの機能を使うことができますが、いずれできなくなります。

デジタルマーケティングにおいてこれらへの依存から脱却する必要があるのです。新規事業でもこれらにかかわるサービス(デジタルマーケティング支援ツール)を提供するのもNGでしょう。

インターネット広告ではオーディエンスターゲティングができなくなるので、それ以外のターゲティング、配信面を指定するものやページのコンテキストを指定したターゲティングの力が強まる。またブラウザに頼らない、アプリへの誘導が増加すると考えられます。

今回はサードパーティcookieブロックの技術面での影響について触れましたが、次回はGDPRなどの法的なアプローチから解説していきます。

コラム担当スタッフ

柳井 隆道

Option合同会社
代表社員
マーケティングテクノロジスト
marketechlabo

東京大学を卒業後、webマーケティングやサービス企画、システム開発などに従事。
デジタルマーケティングの世界に落ち着き、事業会社、広告代理店を経て2014年に独立。
現在は大小さまざまの事業会社、広告代理店などに対して、テクノロジー観点からデジタルマーケティングの支援を行っている。データ計測の設計、実装から分析、マーケティングオートメーションや広告運用などの施策との連携まで扱う。
さまざまな規模の経験から、企業の身の丈にあったデジタルマーケティングの企画に強い。フリーランスで活動していたが、2017年から法人化。

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