コラムバックナンバー

◆これまでのウェブ解析業務

これまでのウェブ解析の業務というのは、ほとんどの人にとってGoogleアナリティクスの画面を見て数字を眺めるというのが多かったのではないでしょうか。

一部の人(専門家?)はCSVファイルやGoogle Sheetsでデータをエクスポートし、データを加工してピボット集計をかけるなどというのを実践していたというわけです。
そして見たい変数やセグメント条件が変わると改めてデータを取得して、加工して集計する・・・という作業を繰り返していました。

データ取得と加工は最初にルールさえ決めてしまえばあとは頭を使わない作業で、しかしそこに時間がかかる。
解析業務の大部分が実はそのような頭を使わない時間に費やされていた、というのはある程度進んだ分析をやってきた方なら誰でも感じていることだと思います。

◆Google Data Studioの新機能

先日、Google Data StudioでExplorerという機能がベータ版ですが公開されました。

Google Data Studio

変数をドラッグ&ドロップで選択し、フィルタや期間も指定できる、アドホックに分析できるTableauのワークシートライクなUIです。

従来のData Studioでは、ダッシュボードに掲載する個別のチャートやテーブルを作る画面はあったのですが、ダッシュボードのパーツなのでサイズが限られて一覧性がないなど、可視化の前の分析や変数の入れ替えなどの試行錯誤がやりにくかったのです。それが解消され、データの可視化よりも分析に重きをおいた機能が追加されたわけです。

これにはData Studioのデータソースをそのまま使えるので、GoogleアナリティクスやSearch ConsoleのデータをTableauライクにアドホックに分析できるようになったのです。
複製も可能で、一つのワークブックでワークシートを10枚まで作れますし、試行錯誤して出来の良かったものをそのままダッシュボードにエクスポートすることもできます。
さらにはデータを他のデータソースとジョインする機能もできたので、記事マスタや商品マスタなどと結合して分析することもできるのです。

画面キャプチャを含むこの機能の具体的なイメージは以下の記事をご覧になると少しわかると思います。

アドホックなウェブ解析が簡単に―GoogleアナリティクスとGoogle Data Studioの探索機能

Googleアナリティクスのデータをアドホックに分析し、レポートにするまでの環境が整ったわけです。

◆アドホック分析の必要性

Adobe Analyticsではワークスペースという機能があり、早い時期から任意の指標やディメンションをマウスのドラッグ&ドロップで配置し、数値を見る、レポートを作るなどというのが行われていました。
分析者の見る画面が従来のレポート機能(指標やディメンションが固定のいわばGoogleアナリティクスの通常画面と同じ)からワークスペースへと移っていっていたわけです。

Googleアナリティクスでも、Adobe Analyticsでも、誰もがTableauライクな画面でアドホック分析をする環境を得た、同時に面倒なデータエクスポートからも解放されるようになったのです。
これによりウェブ分析業務における時間の使い方が変わるでしょう。無駄なデータ出力の時間を削減し、その時間をアドホックな分析をするのに充てることが求められるようになります。

今後のウェブ解析は見るべき変数を探し出し、アドホックに分析するというのが当たり前になります。
そして従来のGoogleアナリティクスのような固定のレポートはモニタリング用途に限定されていくでしょう。Data Studioでダッシュボードを作れたらそれすら不要になっていくかもしれません。
先日のa2iセミナー「顧客が見えればビジネスが動く -Adobe、GA360、Tableau」でも清水誠さんはGAやAAなどのアクセス解析ツールの画面はもう見ないと語っていました。

ウェブ解析の入門者にとっては、これまで漫然と用意されていた変数を眺めていたところから、自発的に項目を選択して数字を見ることが求められる、ある意味ステップアップになるでしょう。指標やディメンションの知識も求められます(とはいえ実際に使う指標やディメンションの種類は限定されています)。

1. (データを見るのではなく)イシューを解決するために何を知るべきかを明確にする。その際、
– フレームワークとしてABC(Acquisition: 流入, Behavior: サイト内行動, Conversion: コンバージョン)を活用する
– ユーザの動線を追う
2. それがどんな指標、条件(指標やディメンションの条件)の組み合わせでわかるか
3. それを可視化する

当たり前の流れですが、この意識がより一層重要になります。
「何を知るために何を見るのか」ウェブ解析に限らない、データを見る基本の姿勢がより重要になっていくでしょう。

コラム担当スタッフ

柳井 隆道

Option合同会社
代表社員
マーケティングテクノロジスト
marketechlabo

東京大学を卒業後、webマーケティングやサービス企画、システム開発などに従事。
デジタルマーケティングの世界に落ち着き、事業会社、広告代理店を経て2014年に独立。
現在は大小さまざまの事業会社、広告代理店などに対して、テクノロジー観点からデジタルマーケティングの支援を行っている。データ計測の設計、実装から分析、マーケティングオートメーションや広告運用などの施策との連携まで扱う。
さまざまな規模の経験から、企業の身の丈にあったデジタルマーケティングの企画に強い。フリーランスで活動していたが、2017年から法人化。

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