コラムバックナンバー
株式会社真摯 いちしま 泰樹
メールマガジン2018年1月24日号より 真摯 いちしま泰樹
1月22日、都心に大雪が降り、交通機関に大きな影響が出ました。幸い私は、都内23区に大雪警報が出たタイミングで事務所を出て家に向かったため、混雑に遭わずに帰宅できましたが、1時間遅ければきっとターミナル駅で入場規制に遭っていました。通知を受信してからのすぐの判断と行動は、なかなか難しいものです。もちろん今回はさまざまな事情で席を離れられなかったり、明日の対応が必要だったりという人もいらっしゃったでしょう。
・イレギュラー事象の予見や通知受信の基盤整備
・予見や通知受信からの判断
・判断からの行動
ビジネスでも予見やスピードと判断力のバランスがより求められていると感じます。
そういった「素早さ」の時代に、アナリティクスはどう立ち回れば良いのでしょうか。
予算をかけた大がかりな施策に向けて、入念な分析を行うこともあるでしょう。詳細な分析でより精度を高めて、失敗の可能性を低くすべき事案もあるでしょう。
その一方で、予兆や萌芽を見つけてすぐに対応することで、時流に乗ったり危機回避できたりすることもあります。分析から施策展開まで3~4か月かかるものよりも、小さくとも3日後に開始できるトライを積み重ねる方が望まれることがあります。
それらは両輪だと思います。少なくとも、現状把握のモニタリングから何かを察知してすぐに動けるような基盤整備と体制づくりは、両輪の片一方として必須になるのでしょう。月次レポートの作成に2週間かけるのではなく、主要な状況把握は誰でもすぐにできて、イレギュラー事象の予見や通知はテクノロジーの力を借りる……アナリティクスの一側面はその色がより強くなるのでしょう。
ITpro編集委員の木村岳史氏が、ちょうど1月22日にこのような投稿をしていました。
先週の日経の記事で、マレーシアのゴム手袋メーカーの経営者がこんな発言をしていた。「昔は大きな魚(大企業)が小さな魚(中小企業)を食べたが、今は素早い魚が動きの遅い魚を食べる時代。規模を問わず、迅速な会社が勝つようになった」。今や世界の常識だが、日本企業の経営者はどうだろうか。
— 木村岳史(東葛人) (@toukatsujin) 2018年1月21日
もう少し言えば、遅い魚を食べる素早い魚はすぐにデカくなる。そして、デカくなっても素早い。グーグルやアマゾン、フェイスブックのようにね。 https://t.co/Gb1nzH5aps
— 木村岳史(東葛人) (@toukatsujin) 2018年1月22日
より「素早さ」を求められる時代、業務インパクトをいつどれぐらい与えられそうかや分析精度をどうするかを念頭に置きつつも、スピードをより意識した取り組みを増やそうと思います。
外食チェーンストア、百貨店、Web制作会社(株式会社TAM、デジパ株式会社)、インターネット広告代理店(株式会社アイレップ)を経て独立。2010年にCinciを設立し、のち株式会社真摯として法人化。
マーケティング視点と分析データの根拠を元に、クライアントのデジタル領域のビジネス改善を支援している。a2iセミナー編成委員会。
著書に『Google アナリティクス 実践Webサイト分析入門』(インプレス)。
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