コラムバックナンバー
メールマガジン2014年6月3日号より 衣袋 宏美
フェイスブックの友人の投稿で考えさせられることがありました。まずはそのきっかけとなった記事を紹介します。記事の冒頭にはこうあります。「経済協力開発機構(OECD)が15歳を対象に実施している学習到達度調査(PISA)のあり方について、米国を中心とした世界の教育学者らが『教育の伝統や文化が持つ多様性を、偏った尺度で測定している』と批判する文書をインターネット上に公開し、賛同者の署名が広がっていることが31日までに、関係者への取材で分かった。」
続いて、こうあります。「参加国は順位を上げようと短期的施策に力を注いでいると指摘し『計測できる狭い面だけを強調して、道徳的、市民的、芸術的発達は測定していない』とPISAを批判。」
英語の原文と日本語訳は下記をご覧になって下さい。
http://min-ken.org/archives/1757
http://oecdpisaletter.org/
私は教育の専門家ではありませんので、これに対して直接的な評論をしようとは思っていませんが、こういう問題がおこるたびに思うのは、あらゆる数値データには両面があるので、それを理解した上で前向きに使って欲しいと思います。
特にこういう教育問題などでは、日本なら義務教育を殆どの人達が経験していて、関係者も多岐に亘るために大騒ぎになります。そして各種データの一部にフォーカスが当てられ、自分の主張のために利用されてしまいます。
残念ながら特にこういった学力テストなどからまとめられたランキングは、単純で分かりやすいだけに一人歩きします。この国際学力調査の結果詳細を見てないので実態はわかりませんが、例えば1000点満点で、10点の中に10カ国入っていたら、その10位の変動にどれだけの意味があるのでしょうか。
明細を見ずにランキングだけで一喜一憂するのがナンセンスという視点は、データを見る技術的な視点として重要です。試験などの数値だと、平均点、中央値、偏差値なども評価指標になりますが、もちろんそれらの統計値も万能ではありません。
他にも相対比較とか時系列で見るとか、複合的な見方が必要です。解析データの場合に単純なランキングだけで何かを判断するということは少ないと思いますが、ランキングのような分かりやすい指標ほど、ある特定の側面だけを浮き立たせてしまうので、より慎重に扱う必要があると思います。
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