コラムバックナンバー

過日(5/21)、アナリティクス アソシエーションとしての最初の活動として「アナリティクスサミット2014」が開催されました。
今回のサミットでは、アクセス解析に限らない様々な種類のデータを用いている点、もっと言うとオンライン・オフラインという垣根自体無くなりつつある点、これまでより「ビジネス課題の解決に役立つにはどうしたら良いか」にフォーカスされた点が大きな変化だったと思います。
今回のコラムでは、当サミットを受けて、私たちのような仕事をしている立場が、「ビジネスに役立つ存在」になるために大事だと感じた点をいくつか挙げさせていただきました。

1. ビジネス課題の解決を意識した「分析」と「社内コミュニケーション」
数年前の私たちの仕事は、アクセス解析のみという仕事も多かったように記憶していますが、現在はアクセスログだけということがまず無くなり、とにかくたくさんのデータを見なくてはならないようになりました。

しかしながら、ただデータをかき集め、闇雲に分析してみても、その結果がビジネスの改善に役立つものでなければ、私たちは「無駄なコスト」として扱われてしまいます。

基調講演の大阪ガスの河本さんのお話の中では、自分たちの存在価値を高める上で意識していることとして、

・今やろうとしている分析は、会社の何に役立つのか(売上アップなのか、コスト削減なのかなど)を部署内で十分に吟味すること

・その分析結果(データ)を使うことの意義を関係各所に説得するということにパワーをかけていること

ということが挙げられており、非常に参考になりました。

特に後者については、使ってもらおうとするデータ(や指標)自体が、現場でイメージしやすいものであることも重要だと思います。

それについては、同サミットのセッションのひとつ、ビービットの三宅さんがとても良い例を挙げられていました。

同社が紹介していたのは、日本ハムさんのコーポレートサイトの事例で、サイトの重要な役割である「情報を正しく伝え、理解してもらう」ことを評価する指標として、「ページを最後まで読んだかどうか」を設定しているというお話。

確かに最後までページを読んでもらえていれば、ユーザーには伝えたいことをひと通り伝えたという一定の評価はできそうです。このようにデータの使い手がイメージしやすい指標というのは、「良いデータ」として社内で活用されると思います。

2. ビジネスのスピードとコストへの意識
本サミットの複数の講演でも触れられていたこととして、データ分析のリスクがありました。たとえば分析しても思ったような結果が出ないことや、そもそも欲しいデータが無いことなどです。

そのようなときに、私たちがデータが集まるまで3ヶ月待ちましょうとか、1億かけましょうといった提案をしてしまっては、意思決定やアクションは止まってしまいます。その間に競合に先を越されてしまうかもしれません。本来ここで私たちがしなくてはならないのは、今できることでビジネスの改善を最大化できる方法の提案です。

欲しいデータを溜めている期間中は、今あるデータを使ってできる施策に絞り込んでPDCAを回すこともできるでしょうし、データが揃っている部門から成功事例を作るといったスモールスタートなど、様々な方法が考えられると思います。

現在、私たちのような仕事は、未だ多くの会社で共通コストとして管理されていたり、施策まで関わらない(意識していない)受託状態になっていることも多いことから、ビジネスのスピード感やコストの意識が薄くなりがちなことはこの業界の大きな課題だと思います。

根本的な解決を図るには、社内のフローや評価の仕組みを変えていくことにあると思いますが、私たちひとりひとりが現場のスピード感やコストの意識を持つだけでも、社内の存在価値は高まると思います。

3. 社内に「ナレッジ」を蓄積すること
たくさんの分析プロジェクトを扱うようになってくると、同じような分析をするケースもありますが、過去実施した分析手法が個人のみに蓄積してしまうと、その人が異動・退職すればまた振り出しに戻ってしまい、社内にナレッジは溜まりません。

私自身何度かチームをマネジメントした経験がありますが、「XXの分析をするなら◯◯さん」というように、個に依存しているケースが多かった当初に比べ、分析手法や取り扱うデータも膨大になり、もはや個人のみに依存するのは限界に来ていると思います。

大阪ガスの河本さんや、デジタルインテリジェンスの横山さんの講演でも、チーム内での情報共有やワークショップの重要性についても触れられていましたが、今後の私たちの重要なミッションに、チーム内の分析スキルの平準化やレベルアップを図ることや、定型化できる分析手法はフレームワーク化するなど、分析という「資産」を作ることに貢献することもあると感じます。

サミットのレポートは、a2iのWebサイトにてアップされます。お楽しみに。

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