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いきなりですが、昨年私はフリーになりました。
フリーになると、所属している企業の規模感や得意領域、取り扱いツールの制約などがなくなりますので、さまざまな企業の方(タイプや大きさ、ビジネスモデルなどがさまざま)とお話させていただく機会が増えました。
そこで、あらためて実感したことがあります。
それは「アクセス解析」の仕事に対して、企業や人によりその解釈や期待が全く異なっているということです。
以下は私が実際に「アクセス解析のデータを使う仕事」ということでお客様から要件をお伺いした時の内容です。


A社:「??(ツール名)の使い方がわからなくてサポートしてほしい」「○○が計測できるように実装したいが、どのようなコードを書けばよいか」
B社:「Google Analyticsで基本的なレポートを作って欲しい」
C社:「顧客データとログデータをもとに、レコメンドエンジンのルール設計をしたい」
D社:「某ECで新規事業をはじめることになったが、KPIを設計し、また実績をもとに投資対効果のシミュレーションを策定したうえでマネジメントを説得したい」

いかがでしょうか? 
「アクセス解析」という言葉ひとつでも、求められるアウトプットや人のスキルは実にさまざま。そしてこれらを全部一人で出来るものだと思われていることもあります。
(上司の方や他部署の方とのやりとりでも、あり得る話なのではないでしょうか)

最近は、A〜D社のような要件を全部こなせる人を、「データ・サイエンティスト」と言うそうです。米誌ハーバード・ビジネス・レビューによると、それは「21世紀で最もセクシーな職業」だそうです。
バブソン大学のトマス・H・ダベンポート氏は『データ・サイエンティストは、高度な数学的素養(統計学や情報処理に関する高い知識)を持ち、プログラミングに長けており、好奇心旺盛でコミュニケーション能力があり、また企業の経営(経済学、ビジネス)にも興味を持つというスーパースターである』と述べています。(※1)

・・・・ええと、そんなセクシーな人はどこに???
日本でセクシーな人が育つのを待っていたら、時代が変わってしまうかもしれません。
今、現場で、まさにここで起きているニーズに、私たちはどう応えるべきなのでしょうか。

それは「チーム」と「コミュニケーション」だと思います。

★チーム★
【アサインメント】
依頼主の要件に合わせて、エンジニア・アナリスト・コンサルタント・(案件に応じてプロデューサーやディレクター)といった職種の人をアサインし、役割分担をします。
ちなみにアクセス解析の場合、実際には有効なデータが取れていない企業がとても多いですので、エンジニア(技術的知識や経験のあるスタッフ)をアサインしておくことは非常に重要だと感じています。

★コミュニケーション★
【依頼主とのコミュニケーション】
まずは、お客様の期待値がどこにあるか、認識合わせを十分に行うことをすすめます。
その内容については、依頼主側も言語化できないことがありますから、依頼を受ける側がそれをしなければなりません。アクセス解析で何をしたいのか、何に困っているのかなど。
(聞いてみたら、アクセス解析では解決できない話かもしれません)

【チーム内コミュニケーション】
異なった職種や経験を持つ人達が集まると、「あの人はやるべきことをやっていない」「あの人は言っていることがわからない」といった不満や、それに起因するコミュニケーションロスが発生してきます。これが、プロジェクトの「穴(抜け漏れ)」を作ります。
こうしたことを防ぐためにも、お互いの仕事を知ることを勧めます。
自分はアナリストで業務は単純レポートの作成だったとしても、ビジネス改善につながる示唆を出してみるとか、コンサルタントは最低限の技術的知識を身に付けるとか。そんな感じです。私はこうした歩み寄りを「共通言語化」と言ったりしますが、その好奇心こそがチーム内コミュニケーションを円滑にする方法の一つだと思いますし、今からはじめられる「データ・サイエンティスト」への道でもある気がします。

※1「データ・サイエンティストほど素敵な仕事はない」,『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』2013年2月号より引用。

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