コラムバックナンバー
メールマガジン2011年8月30日号より Cinci いちしま泰樹
サイトのモニタリングや分析の指標として「サイト滞在時間」を見ている方も多いと思います。このサイト滞在時間という指標、実は非常に扱いにくい指標です。
主な理由は以下です。
▼アクセス解析ツールの計測の仕組み上、出口ページ(離脱ページ)での滞在時間が計測不能のため、数字に含まれていないこと
▼直帰した訪問のサイト滞在時間は「0秒」あるいはツールが設定する最小単位の時間として計測されること
▼その時間ずっと閲覧していたかどうかも不明であること。コーヒーを飲みに席を立ったかもしれないし、ブラウザーのタブでとりあえず開いただけかもしれない
▼「サイト滞在時間が長ければよい」とは必ずしも言えないこと。コンテンツごとに目的は違い、「短い方がよい」コンテンツもあるだろう
「計測」と「評価」の二つの側面で、扱いにくくしています。
まず、「サイト滞在時間」というラベル名称に抱く「想像」に反して、あまり実態を表していない数字です。離脱ページでの滞在時間を計測できない上に、閲覧されている保証がありません。コーヒー休憩が20分あった場合、平均値は大きく跳ね上がることになります。計測された数字として不正確であり、不安定でもあります。
また、サイト滞在時間が長いからサイトにコミットしている、とはなかなか評価できません。コンテンツごとに様々な目的があり、誘導目的のコンテンツもあれば滞在目的のコンテンツもあります。迷っているのか満足しているのかもわかりません。「サイト滞在時間をより長くすれば、ビジネスゴールが近づく」のであれば問題ないのですが、そういうケースはそれほどないように思います。
指標としてまったく意味をなさないものではないのですが、「コミットメントを表すKPI」としてこのサイト滞在時間だけを見るのは、適切ではないでしょう。直帰率や平均ページビュー数と合わせて参考として見るような指標、ぐらいの扱いの方がよいかもしれません。
セグメントをちゃんと切って、トレンドとしてその流入のサイト滞在時間が増加傾向であるというのであれば、コンテンツのカテゴリーごとに分析してどこにその要因があるのか、という使い方はできるでしょうか。
サイトへのコミットメントやエンゲージを表す指標として、その文字面だけから「サイト滞在時間」を挙げたい気持ちもわかりますが、その意味や評価を踏まえた上で見ていかなければいけません。
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