コラムバックナンバー
メールマガジン2011年3月1日号より Cinci いちしま
目的なくアクセス解析をしたり、「このツールはおもしろい」と興味本位で数字を蓄積しても、おそらくビジネスは改善しないでしょう。それが目的なく行われている限りは、ただの結果や数字です。
分析にはそもそも目的が必要です。
ビジネス課題の解決のために、例えば広告で集客と引き合いの増加を図ったとしましょう。その場合の分析のポイントは、大きくは2点に集約されると思います。「効果的に集客できたのかどうか」「効果的に引き合いに繋がったのかどうか」という点ですね。
そこからブレイクダウンして、見るべき数字を追いかけていくことになります。広告費用、広告の表示回数やクリック数、広告経由の引き合いの件数やサイト内の回遊状況、再訪の状況などが、ひとまずは見るべき数字になるでしょうか。
では、訪問者の都道府県などの地域情報、性別といったデモグラフィックデータは必要でしょうか。集客母数や引き合い母数が非常に大きい場合は、必要になるケースもあるでしょうが、引き合い件数が1桁であればほとんど必要ないかもしれません。
ご担当者も日々の業務は忙しいはずです。意味のない業務は優先度を低くしたりやらないという判断をしなくてはいけません。引き合いの件数が5件しかなく、訪問者の都道府県別の分析をする必要はないはずなのに、「おもしろそう」という理由だけでエクセルの表やグラフにまとめたりしてしまいがちなのです。
2月26日、アクセス解析イニシアチブ主催でGoogle Analytics徹底活用セミナーが開催されました。一般的にはあまり利用されていないけれども有益な機能や、組み合わせて使う様々な他のツールも紹介されました。「おもしろそう」と試してみるのも良いのですが(いや、マーケターの姿勢としてそれはあるべき姿なのですが)、自分たちのビジネスでそれは見なければいけない数字なのか、その分析をすることで何が解決され何が具現化するのか、ビジネスインパクトとしてどれぐらいなのか、判断した上で取り組むのが正しいやり方でしょう。
分析には目的が必要です。このメールマガジンの購読者には分析するのが好きな人が多いでしょうから、興味本位で分析して「だから何?」とならないよう、ビジネスゴールと目的を意識しながら日々の取り組みをしていきたいものです。
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