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メールマガジン2010年12月21日号より 代表 大内 範行
皆さんは「仮説」という言葉にどんな印象を持っていますか? 僕は、お堅い「カセツ」という響きによい印象を持っていませんでした。
話は突然サッカーに移ります。
2010年、サッカー日本代表はワールドカップで大活躍しました。一番大事なゴールは、カメルーン戦の本田のゴールです。あの場面で、本田にセンタリングを上げたのは、右サイドにいた松井でした。
その松井への岡田監督の指示は「ボールを持ったら素早く配球しろ」というものでした。でも、あの場面で松井は、すぐにボールを上げず、切り返していったん時間を作ります。
松井の現場の判断で、パターンを変えたことが、カメルーンのディフェンスを乱し、本田をフリーにします。微妙にステップバックする本田の足元に、松井のボールが吸い込まれ…。
さて、岡田監督は、様々な経験やデータを総合して、松井に「ボールを持ったら素早く配球しろ」という指示を出しています。一方、松井はその指示を意識しながらも、現場で得たデータやフランスリーグでの経験をもとに、監督の指示とは違う行動をとっています。
監督の「指示」を重要視する旧来の文脈だと、監督の指示を無視した松井の好判断と言えそうなシチュエーションですね。岡田監督は間違っていて、松井は正しい、という安易な結果論的な文脈です。
ここで岡田監督の「指示」という言葉を「仮説」という言葉に置き換えると、印象が変わります。監督の仮説も正しい分析の結果ですが、実際に選手が「検証」してみると違うので、修正を加えて「行動」におこします。その現場の的確な判断を監督が称賛すれば、チーム全体の取り組みが、勝利を導いた、という話に変わります。
PDCAのPは、プラン=計画のことです。しかし、どうも「計画」や「設計」「指示」という言葉は、絶対的な印象を与え、それを変更することは、すなわち、事前の上層部の予想が間違っていた、というネガティブな話になってしまいます。
ここで「仮説」という言葉を使うと、事前の予測や準備が相対化されます。「仮説」なら検証しなければいけません。チーム全体で検証をしてダメだったら修正して行動しよう、という文脈が入ってきます。
僕は最初「仮説」という言葉に違和感を持っていたのですが、データドリブンな組織において「仮説」という言葉をチームが持つことは、実はとても重要でモダンなことだ、と今では考えはじめています。
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